うかい:前期12年3月期決算は増収大幅増益の黒字転換で着地

2012年5月29日 11:12

■大震災の影響を跳ね返し、見事に回復

  高級和食・洋食レストランを多店舗展開するうかい <7621> (JQS)は25日、前期12年3月期決算説明会を開催した。

  前期12年3月期業績は、売上高116億22百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益5億72百万円(同258.4%増)、経常利益4億71百万円(同946.7%増)、純利益3億12百万円(前年同期△6億89百万円)と増収大幅増益の黒字転換で着地した。

  11年3月期は2月まで計画を上回るペースで推移していたが、3月11日に発生した大震災の影響で減収大幅減益の赤字転落となった。しかし、前期は、大震災の影響を跳ね返して見事に回復し、好業績を収める結果となった。

  前期を振り返り、代表取締役社長大工原正伸氏は、「震災後、これほどお客様の回復が早くなるとは思いませんでした」と語る程、多くの利用客が同社のレストランに戻ってきた。

■今期は海外研修も含め様々な人材育成の経費増加を見込む

  非常に喜ばしいことであるが、この回復に浮かれず、今後の売上拡大につなげるために、敢えて今期の洋食事業の売上高を49億29百万円(前期比0.6%減)と堅めに設定している。理由は、中長期的な店のクオリティと顧客満足度を追求し、稼働率を制限するため。

  前期は、大幅増益となったが、今期13年3月期業績は、売上高116億80百万円(前期比0.5%増)、営業利益4億57百万円(同20.2%減)、経常利益3億54百万円(同24.8%減)、純利益1億73百万円(同44.7%減)と増収ながら減益を見込んでいる。

  減益を見込んでいるのは、サービス力を上げるための最優先課題である人材育成に力を入れるため、人件費の増加を見込んでいる。これは、中長期的なグローバル化を見据えた成長戦略のため海外研修も含め様々な人材育成の経費増加を見込んでいるためだ。

■今後如何に集客力を上げていくかが全て

  今後の展望を語る前に、大工原正伸社長は、「大震災以降本当に多くの方に当社のレストランに来ていただきました。来客数の大きな増加によって、収益も上がりました。多くの方々に来ていただき、我々うかいとして何をすべきか、本当に明確に考えさせられる1年となりました。我々としては、如何に日常的に、日常の中で、非日常の世界をお客様に提供できるか、こういうことが我々の使命だと思っています。前期は郊外の大型店舗の集客が順調でありましたが、今後如何に集客力を上げていくかが全てだと思っています。全社一丸となって集客に努めます」と集客力を高めていく方針を明確にした。

■既存店の強化策としてイベントの継続を重要事項に挙げる

  今後の事業拡大のための中期経営計画の基本方針として、「経営理念の実現に向けて、培ってきた独自の価値創造を基に、新たな挑戦により、商圏の拡充を目指す。成長戦略の実現。」を掲げている。

  具体的には、収益性の向上、成長性の追求、有利子負債の削減の3点。

  そのための取組みとして、(1)全社的営業推進による既存店の強化、(2)ブライダルの強化、(3)経営体制の強化、(4)ブランド構築、(5)人材の育成と登用、(6)経費構造の見直しと流れの再構築、(7)安全安心の取組みを挙げている。

  まず既存店の強化に関しては、これまで各店舗で行っているイベントの継続を重要事項としている。うかい鳥山の「ほたる狩り」、「ほたる観賞の夕べ」、うかい竹亭の「ほたる観賞の夕べ」、とうふ屋うかい大和田店、とうふ屋うかい鷺沼店の「ゆかた祭り」等である。この他、各店舗で季節に併せたイベント、フェアを行っている。また、箱根ガラスの森でも毎年イベントを企画しているが、今年は「煌めくヴェネチアン・ビーズ展」~アドリアの雫~を4月20日から11月25日まで開催。

■新しい既存店強化策として製菓の「アトリエ」をたまプラーザに新設

  更に、新しい既存店強化策としては、今年の夏、秋頃を目指して各うかい亭のお土産・ギフトである製菓が購入できる「アトリエ」をたまプラーザに新設する予定。新たなうかいブランドの広がりを創出する場であり、各既存店の魅力を発信する店舗としてオープンする。

  ブライダルの強化については、横浜うかい亭が中心となっている。横浜うかい亭は、本館と別館とに分かれていて、別館であるクリスタルサロンをメインでブライダルが行われている。11年3月期の売上高は1億49百万円、12年3月期は1億89百万円と着実に成長している。まだ規模は小さいがこれから集客に努めることで、全体的な集客力のアップに繋がるように計画している。

  経営体制の強化に関しては、今期海外戦略室を立ち上げた。海外市場での売上を組織的に拡げていくために、専門部署を設けた。主な業務は、海外市場の調査・研究、海外での各種フェアの推進、出店の研究、海外事業に対するコンサルティング業務、海外からの外国人客の誘致に関する業務、海外業務に係る広報、PR、IR及びマスコミへの対応である。

■台湾リージェントホテルで「うかい亭フェア」を開催、3日間満席状態

  海外客は、5%から10%である。一時的には10%から20%の時もある。更に集客力を高めるために、海外でフェアを開催している。2月には台湾リージェントホテルで「うかい亭フェア」を開催したところ3日間満席状態で、大盛況であった。また、5月には、「第1回中国(北京)国際サービス貿易交易会」に参加し、リージェントホテル北京で「GRILLうかいフェア」、北京飯店で「うかい亭VIPガラディナー」を開催する予定。この様なイベントを通じ、うかいブランドの構築と共に人材の育成も行っていく。

  経費構造の見直しと再構築に関しては、原価率の徹底として、スケールメリットを活かした仕入れ、環境変化・物価変動に対し、早急かつ柔軟な対応が出来る体制、2カ月に一度季節にあった旬な食材を使用したメニュー構成を挙げている。また、経費の見直しとして、非営業部門の経費削減に努めるとしている。

  この成果はすでに現れていて、過去4年間連続で営業利益率が低下していたが、前期に大幅に改善している。具体的には、07年3月期の6.5%から、4.9%、4.6%、3.8%、1.6%と下降していたが、前期は4.9%と一挙に改善している。今期は、人件費の見直しもあり、3.9%に一旦下がるが、14年5.3%、15年5.4%と大幅な改善を見込んでいる。

  安全安心の取組みでは、危機管理室を中心に各店舗と第三者機関と連携して、徹底的な管理を強化している。

■圏央道の高尾山インターが開通し、うかい鳥山・竹亭の集客力が一層高まる

  09年6月に現社長大工原正伸氏が社長に就任して以来、大震災による一時的な業績不振があったが、有利子負債は、09年3月期末の89億49百万円から12年3月期末63億61百万円と3年間で25億88百万円削減している。その結果、売上高有利子負債比率は09年3月期末の67.8%から54.7%と株式上場以来初めて60%を割り込んだ。一方、自己資本比率は09年3月期末の29.3%から31.7%と2.4ポイント改善し、財務内容は益々健全化している。

  業績に関しては、今期13年3月期は増収減益を見込んでいるが、前期の売上予想は期初104億61百万円を見込んでいたが、116億22百万円(予想比11.0%増)で着地しているように、堅めの数字といえる。また、今年3月に圏央道の高尾山インターが開通したことで、うかい鳥山まで都心から1時間以内、新宿から45分で到着することから、旗艦店のうかい鳥山、うかい竹亭の集客力が一層高まると期待されている。

  14年3月期は売上高118億80百万円(今期比1.7%増)、営業利益6億20百万円(同37.7%増)と大幅増益を見込んでいる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【介護サービス関連特集(2)】各社とも在宅医療・介護サービス分野の強化方針打ち出す(2012/03/25)
【不動産大手6社を徹底検証!(2)】オフィス平均賃料は弱含みの状況(2012/05/26)
【再生可能エネルギー特集(2)】自家発電・蓄電設備関連なども注目(2012/04/01)
【特集】「SNS関連」銘柄の動向~スマートフォン対応にシフト(2012/01/02)

関連記事

最新記事