世界の主要経済指標(分析と市場の反応)5月24日

2012年5月25日 10:53

【5月24日の主要経済指標と市場の反応】

■24日は株式市場への影響は限定的

  24日は、EU非公式首脳会議の結果に対して、株式市場の反応は限定的だった。ただし中国5月製造業PMI、独5月IFO業況指数、ユーロ圏5月製造業PMIなど低調な経済指標が相次いだこともあり、外国為替市場ではユーロ売りがやや優勢になる場面があった。

  その後は、米新規失業保険申請件数と米4月耐久財受注が、市場予想に対して同水準あるいは弱含みの内容となったことで、外国為替市場ではユーロ買い戻しがやや優勢になった。株式市場の反応は限定的だった。

≪24日 日本≫

  日本時間24日朝、EU非公式首脳会議の内容が伝わった。ギリシャが財政再建策を履行してユーロ圏にとどまることを求めることで一致した。また6月下旬の首脳会議でEUの成長戦略を取りまとめることや、EIB(欧州投資銀行)に対して100億ユーロ増資する方針を確認した。さらに有望な公共事業などの資金の一部をEUが保証するプロジェクト債も検討するとしている。しかしユーロ共同債に関しては独仏の溝が埋まらなかった。

  これに対して、ギリシャのユーロ圏離脱懸念を払しょくするだけの具体策を欠いたとの受け止め方が大勢だったが、株式市場では事前の期待が小さかったこともあり反応は限定的だった。外国為替市場ではユーロ売りがやや優勢となり、失望感が広がる形となった。

≪24日 中国≫

  英系金融大手HSBCが発表した中国5月製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値は48.7となった。輸出受注の落ち込みを背景に、景況感の改善と悪化の分岐点となる50を7カ月連続で下回った。4月確定値の49.3に比べても0.6ポイント低下した。この発表を受けて、外国為替市場での反応は限定的だったが、中国・上海株式市場はやや軟調になった。

≪24日 ユーロ圏≫

  独1~3月期GDP改定値は前四半期比プラス0.5%成長、前年同期比プラス1.2%成長となった。速報値と同水準で、市場予想とも同水準だった。このため市場の反応は限定的だった。

  独5月IFO業況指数は総合指数で106.9となった。4月の109.9に比べて3.0ポイント低下し、市場予想も下回った。

  ユーロ圏5月総合PMI(購買担当者景気指数)速報値は45.9となり、4月確定値の46.7に比べて0.8ポイント低下した。09年6月以来の低水準となり市場予想も下回った。製造業PMIは45.0となり、4月確定値の45.9に比べて0.9ポイント低下した。サービス部門PMIは46.5となり、4月確定値の46.9に比べて0.4ポイント低下した。いずれも市場予想を下回った。

  このうち独5月総合PMIは49.6で4月に比べて0.9ポイント低下、製造業PMIは45.0で4月に比べて1.2ポイント低下した。サービス部門PMIは52.2で4月と同水準だった。

  英1~3月期GDP改定値は前四半期比マイナス0.3%成長、前年同期比マイナス0.1%成長となった。速報値段階の前四半期比マイナス0.2%成長、前年同期比横ばいに比べて下方修正となり、市場予想も下回った。ただし市場の反応は限定的だった。

  外国為替市場では、独5月IFO業況指数や独5月製造業PMIが低調だったことを受けて、ユーロ売りがやや優勢になった。その後はユーロ売りが一服したが、ギリシャの最新世論調査で急進左派連合(SYRIZA)が支持率でトップになったことを受けて、再びユーロ売りが優勢になる場面があった。

≪24日 米国≫

  米新規失業保険申請件数は37.0万件となった。前週改定値の37.2万件(37.0万件から上方修正)に比べて0.2万件減少したが、市場予想と同水準だった。4週移動平均は37.0万件で、前週時点の改定値37.55万件に比べて低下した。

  米4月耐久財受注は前月比0.2%増加となった。3月改定値の同3.7%減少(同4.2%減少から上方修正)に比べて改善したが、市場予想と同水準だった。輸送用機器を除く受注は同0.6%減少で、3月改定値の同0.8%減少(同1.1%減少から上方修正)に比べて改善したが、市場予想を下回った。

  米4月住宅着工許可件数(年率換算)改定値は72.3万戸となり、速報値の71.5万戸から上方修正された。

  米新規失業保険申請件数と米4月耐久財受注が、市場予想に対して同水準あるいは弱含みの内容となったため、外国為替市場ではユーロ買い戻しにつながる場面があった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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