旭化成とセントラル硝子、米IBMのリチウム空気電池開発プロジェクトに参加

2012年4月20日 16:47

 米IBMは20日、業界のリーダー的企業である旭化成とセントラル硝子の2社がIBMの「Battery 500プロジェクト」チームに加わり、自動車の主要エネルギー源をガソリンから電気へ加速的に転換させる可能性をもつ遠大な研究に共同で取り組むと発表した。

 2009年にIBMリサーチは、ファミリー・サイズの電気自動車(EV)が1回の充電で約500マイル(800キロメートル)走行することを可能にするリチウム空気電池の開発を行う、新しい持続可能なモビリティー・プロジェクト「Battery 500プロジェクト」を立ち上げた。

 今回、旭化成およびセントラル硝子は、「Battery 500プロジェクト」のパートナーとして、各社が長年にわたって培ってきた自動車業界向けの材料のイノベーションを同プロジェクトに持ち寄る。実用化までには壮絶な科学面・エンジニアリング面のハードルが立ちはだかっており、その成功の可能性を高めるために、2社は同プロジェクトの研究範囲を拡大して、複数の化学的分野の探求を並行して推進する。

 具体的には、日本を代表する化学メーカーの1社であり、リチウムイオン電池用セパレータで高いシェアを有する旭化成は、これまで培ってきた膜開発技術を生かし、リチウム空気電池の重要な構成要素部品を開発する。自動車用リチウムイオン電池向け電解液を世界市場向けに生産しているセントラル硝子は、同分野における化学的知見を生かし、リチウム空気電池の性能を向上させることに主眼をおき、新種の電解液および高性能添加剤を開発する。

 リチウムイオン電池を搭載した今日のEVの大半は、一回の充電で走行可能な距離は約100マイル(160km)であり、EV普及の大きな障壁となっている。手ごろな価格で軽量、コンパクト、そして典型的なファミリー向け自動車が、1回の充電で数百マイル走行するだけの電気容量を蓄えられる新しいバッテリー技術の開発が求められている。

 今日のリチウムイオン電池を搭載したEVが、燃料を満タンにしたガソリン自動車に匹敵するだけの距離を走行可能にするには、非常に大きなバッテリーが必要となるが、そうすると自動車の重量は増し、多大なスペースを占有してしまう。一方、リチウム空気電池は、その軽量な陰極と大気中にある酸素を主燃料とする構造により、リチウムイオン電池に比べてより高いエネルギー密度を有している。EVを広く普及させるには、既存のリチウムイオンバッテリーの10倍以上のエネルギー密度が必要とされており、今回の新しいパートナーの「Battery 500プロジェクト」への参加は、リチウム空気電池技術をその目標達成に向け推進する大きな力添えになるものだという。

 なお、同研究は、米国カリフォルニア州サンノゼにあるIBMアルマデン研究所で行われる。

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