【外国為替市場を検証:ドル・円相場】米追加金融緩和期待などで、ドル高・円安一服の展開

2012年3月31日 18:30

【外国為替市場フラッシュ:3月26日~30日のドル・円相場】

■終盤は1ドル=82円80銭~90銭近辺

  3月26日~30日の週のドル・円相場は、概ね1ドル=81円80銭台~83円30銭台のレンジで推移した。基調としてドル高・円安の地合いに変化はないと考えられるが、ドル高・円安一服の展開となった。バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演内容を受けて米追加金融緩和期待が高まったことや、年度末に伴う日本の輸出企業の円買い需要などで、ドル売り・円買いが優勢になる場面があった。中国の景気減速に対する警戒感もリスク回避の円買いにつながった。週末30日の海外市場で終盤は1ドル=82円80銭~90銭近辺だった。

  ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末23日の海外市場では1ドル=81円90銭台に円が上昇する場面があった。米2月新築住宅販売件数が低水準だったこともあり、リスク回避の円買いが優勢となった。その後は欧米株式市場が上昇に転じたこともあり、ドル買い戻しがやや優勢となった。終盤は1ドル=82円30銭~40銭近辺だった。

  こうした流れを受けて週初26日の東京市場では、概ね1ドル=82円40銭近辺~80銭近辺で推移した。手掛かり材料難でモミ合う展開だったが、前週末の海外市場に比べてドル買い・円売りがやや優勢だった。終盤は1ドル=82円70銭近辺だった。26日の海外市場では概ね1ドル=82円60銭台~90銭台で推移した。バーナンキ米FRB議長の「インフレリスクが台頭するには米経済は弱すぎる」「雇用情勢の改善に向けて金融緩和を続ける必要がある」との講演内容が追加金融緩和期待につながり、ドル売り・円買いがやや優勢になる場面もあった。その後は独メルケル首相がEFSF(欧州金融安定基金)とESM(欧州安定メカニズム)を並行して運用する案を受け入れる用意があると述べたことを好感したユーロ買いの流れで、ドル買い・円売りが優勢になった。終盤は1ドル=82円80銭近辺だった。

  27日の東京市場では概ね1ドル=82円70銭台~83円00銭台で推移した。日米両国の金融政策に対する思惑などが交錯して小幅レンジでモミ合う展開だったが、終盤は1ドル=82円70銭台だった。27日の海外市場では概ね1ドル=82円60銭台~83円30銭台で推移した。バーナンキ米FRB議長の発言で高まった追加金融緩和への思惑が後退し、日本の追加金融緩和に対する思惑でドル買い・円売りが優勢になった。終盤は1ドル=83円20銭近辺だった。

  28日の東京市場では概ね1ドル=82円60銭台~83円20銭台で推移した。やや手掛かり材料難となりモミ合う展開だったが、終盤にかけてドル売り・円買いがやや優勢になる場面もあった。終盤は1ドル=82円80銭近辺だった。28日の海外市場では概ね1ドル=82円60銭台~83円10銭台で推移した。序盤はドル買い・円売りが優勢だったが、その後はドル売り・円買いがやや優勢になった。米2月耐久財受注に対する反応は限定的で方向感に欠ける展開だった。終盤は1ドル=82円90銭近辺だった。

  29日の東京市場では概ね1ドル=82円20銭近辺~90銭近辺で推移した。日本の3月上旬の貿易収支は538億円の赤字だったが、年度末に伴う日本の輸出企業のドル売り・円買い需要が優勢になった。新興国の景気減速懸念もリスク回避の円買いにつながり終盤は1ドル=82円40銭台だった。29日の海外市場では1ドル=81円90銭近辺に円が上昇する場面があった。スペインの国債利回りが上昇したことや、米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことなどで、リスク回避のドル売り・円買いが優勢になった。その後はドルが買い戻され終盤は1ドル=82円40銭近辺だった。

  30日の東京市場では概ね1ドル=82円00銭を挟む小幅レンジで推移した。日本の2月消費者物価指数が前年比プラスとなったことや、日本の輸出企業のドル買いなどでドル売り・円買いが優勢になり、1ドル=81円80銭台に円が上昇する場面もあった。終盤は1ドル=82円10銭台だった。30日の海外市場では、円買い需要が一巡して1ドル=82円90銭近辺に円が下落した。ユーロ圏財務相会合が金融安定網の規模拡充を決定したこと、米個人消費関連の指標が堅調だったこともドル買い・円売りにつながった。終盤は1ドル=82円80銭~90銭近辺だった。

  ドル・円相場に関しては、3月期末に伴う日本の輸出企業の円買い需要などで、一時1ドル=81円80銭台まで円が上昇する場面があり、ドル高・円安一服の展開となった。バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演内容を受けて米追加金融緩和期待が高まったことも一因だが、これに対しての反応は限定的だった。週末30日の米国市場では再びドル買い・円売り優勢の流れになっており、基調としてはドル高・円安の地合いが継続していると考えられる。

  当面はドル高・円安の地合いが継続する可能性が高いが、米国の景気動向や日米両国の金融政策に対する思惑が焦点となり、4月6日の米3月雇用統計、9日の日本2月経常収支、9日~10日の日銀金融政策決定会合を控えて、様子見ムードを強める可能性もあるだろう。

  当面の注目スケジュールとしては、4月2日の3月日銀短観、米3月ISM製造業景気指数、3日の米FOMC(連邦公開市場委員会)議事録(3月13日分)公表、4日のECB理事会と記者会見、4日~5日の英中銀金融政策委員会、6日の米3月雇用統計、9日の日本2月経常収支、9日~10日の日銀金融政策決定会合などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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