【相場展望】引き続き海外要因に神経質な地合いに変化なし
2012年1月8日 11:22
【株式市場フューチャー:1月9日~13日の株式市場見通し】
来週(1月9日~13日)の日本株式市場(9日は休場)については、国内に買い手掛かり材料が見当たらない中、ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感が強く、引き続き海外要因に神経質な地合いに変化はないだろう。
前週末6日の米国株式市場は高安まちまちの展開となり、ダウ工業株30種平均株価は利益確定売りが優勢となって続落したが、米雇用指標の改善を受けて下値は限定的だった。このため3連休明け10日は、前日9日の米国株式市場や外国為替市場の動向次第のスタートだろう。
その後は、引き続きユーロ圏主要国の国債格付け、入札、利回りの動向に加えて、9日の独仏首脳会談、11日の独伊首脳会談、12日のECB(欧州中央銀行)理事会なども注目され、ネガティブ材料が出てこないかと身構える地合いだろう。ユーロ売り圧力が強まっているユーロ・円相場や、軟調な動きが続いている中国・上海株式市場の動向にも注意が必要だろう。
ただし、米主要経済指標には一段と明るさが増し、米景気の先行きに楽観的な見方が広がり始めている。米国株式市場が堅調な展開になれば、日本株式市場でも安心感につながる可能性があるだろう。また米国では9日の米アルコア社を皮切りに、11年10月~12月期の主要企業の決算発表が始まる。株式市場の関心が企業業績見通しにシフトする可能性もあるだろう。
前週(1月2日~6日)の日本株式市場(2日と3日は休場)で、日経平均株価(225種)は2週ぶりに下落に転じた。一方のTOPIXは小幅ながら2週連続の上昇となった。年初3日の米国株式市場が大幅上昇したことを受けて、日本の大発会4日は日経平均株価、TOPIXともに上昇してスタートした。しかしユーロ圏債務危機問題に対する警戒感が強い状況に変化はなく、薄商いで海外要因に神経質な地合いが続いた。週末6日には、3連休(7日~9日)を控えていたことに加えて、外国為替市場でのユーロ安・円高進行に対する警戒感などで、株価指数先物取引が主導する形で下落幅を広げる展開となった。
ユーロ圏債務危機問題に関しては、4日のドイツ、5日のフランスなど主要国の国債入札は概ね順調に通過したが、警戒感の払拭には至らず、各国の国債利回りが上昇した。4日の海外市場では、イタリアの銀行大手ウニクレディトによる大幅ディスカウント価格での増資計画発表、スペインが国内銀行再編のためにEUとIMF(国際通貨基金)に対して資金援助申請を検討するとの一部観測報道などを受けて、リスク回避の動きが強まった。また5日の海外市場では、ユーロ圏各国国債の格付け引き下げ懸念、欧州金融機関の資本増強に対する懸念、ハンガリーのデフォルト懸念などで、主要国の10年債利回りが上昇し、イタリア国債利回りは7%台に上昇した。6日には、格付け会社フィッチ・レーティングスがハンガリーの国債格付けを投機的水準に引き下げた。
こうした流れを受けて外国為替市場ではユーロ売り圧力が一段と強まった。ユーロ・円相場は、2日の海外市場で1ユーロ=98円70銭近辺、5日の海外市場で1ユーロ=98円40銭近辺、そして週末6日の海外市場で1ユーロ=97円90銭近辺に円が上昇し、約11年ぶりのユーロ安・円高水準となった。ドル・円相場は概ね1ドル=76円台後半~77円台前半のレンジで推移した。週末6日の海外市場で終盤は1ドル=76円90銭~77円00銭近辺だった。
来週も9日にドイツ、11日にドイツ、12日にイタリアとスペイン、13日にイタリアの国債入札が予定されており、応札倍率や利回り動向に神経質な展開が続く可能性が高いだろう。また12日のECB理事会では政策金利引き下げの可能性も指摘されている。ユーロ圏各国の国債格付け引き下げ、12年1~3月期のイタリア国債大量償還に対する警戒感が強い状況だけに、ユーロ売り圧力が継続する可能性は高いだろう。9日の独仏首脳会談、11日の独伊首脳会談については、市場が期待するほどの結果は得られないだろうとの見方が優勢となっている。
米国の主要経済指標には、引き続き明るさが増している。3日には、米12月ISM製造業景気指数が53.9となり、11月の52.7に比べて1.2ポイント上昇して市場予想を上回った。米11月建設支出は前月比1.2%増加となり、10月改定値の0.2%減少に対して市場予想以上に改善した。4日には、米11月製造業新規受注が前月比1.8%増加となり、市場予想を下回ったが10月改定値の同0.2%減少から改善した。5日には、米12月ADP雇用リポートで民間就業者数が前月比32.5万人増加となり、11月の同20.6万人増加に比べて大幅改善して市場予想も大幅に上回った。米新規失業保険申請件数は37.2万件となり、前週改定値の38.7万件に比べて1.5万件減少して市場予想以上に改善した。米12月ISM非製造業景況指数は52.6となり、市場予想をやや下回ったが11月の52.0に比べて改善した。6日には、米12月雇用統計で非農業部門就業者数が前月比20.0万人増加となり、11月改定値の同10.0万人増加に比べて大幅改善して市場予想も大幅に上回った。12月の失業率は8.5%となり、11月改定値の8.7%に比べて0.2ポイント低下して市場予想以上に改善した。
そして前週末6日の米国株式市場は、高安まちまちだった。ダウ工業株30種平均株価は前日比55ドル78セント(0.45%)安の1万2359ドル92セントと続落した。ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感が強く、目先の利益を確定する動きが優勢だった。ただし、雇用関連指標の改善を受けて安心感も広がり、下値は限定的だった。S&P500株価指数は前日比0.25%安と4営業日ぶり小幅反落、ナスダック総合株価指数は前日比0.16%高と小幅続伸した。
テクニカル面で見ると、日経平均株価(6日時点の8390円35銭)の移動平均線に対する乖離率は、25日移動平均線(同8499円98銭)に対してマイナス1.28%となった。前週末に比べてマイナス乖離幅をやや広げ、上値抵抗線として意識される形になった。ただし昨年12月以降は、25日移動平均線を挟んでの三角保ち合いが徐々に煮詰まる形となっており、上下どちらに放れるかも注目点となってくるだろう。
■注目スケジュール
来週の注目スケジュールとしては、国内では、11日の11月景気動向指数CPI速報値、12月末外貨準備高、12日の12月上中旬貿易統計、7~9月期および11月経常収支、12月景気ウォッチャー調査、13日の12月マネーストック統計などがあるだろう。その後の注目イベントとしては、16日の機械受注、23日~24日の日銀金融政策決定会合などが予定されている。
海外では、9日の独11月貿易収支、仏11月貿易収支、独短期債入札、独仏首脳会談、米11月消費者信用残高、ロックハート米アトランタ地区連銀総裁の講演、10日の中国12月貿易統計、米11月卸売在庫、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米3年債入札、ウィリアムズ米サンフランシスコ地区連銀総裁の講演、ピアナル米クリーブランド地区連銀総裁の講演、ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁の講演、11日の独10~12月期GDP速報値、独5年債入札、英11月貿易収支、英中銀金融政策委員会(1日目)、独伊首脳会談、米地区連銀経済報告、米住宅ローン・借り換え申請指数、米10年債入札、エバンズ米シカゴ地区連銀総裁の講演、ロックハート米アトランタ地区連銀総裁の講演、プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁の講演、12日の中国12月CPI・PPI、インドネシア中銀理事会、仏11月経常収支、ユーロ圏11月鉱工業生産、英中銀金融政策委員会(金利発表)、ECB理事会(金利発表と記者会見)、イタリア短期債入札、スペイン3年債入札、米11月企業在庫、米12月小売売上高、米12月財政収支、米新規失業保険申請件数、米30年債入札、13日の韓国中銀理事会、ユーロ圏11月貿易収支、イタリア5年債入札、米11月貿易収支、米12月輸出入物価、米1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、ラッカー米リチモンド地区連銀総裁の講演、エバンズ米シカゴ地区連銀総裁の講演、14日の台湾総選挙、EU・IMF調査団のギリシャ訪問(16日まで)などがあるだろう。なお、米主要企業の11年10月~12月期決算発表としては、9日の米アルコア、13日の米JPモルガンチェースなどが予定されている。
その後の注目イベントとしては、16日の仏スペイン首脳会談、17日の中国12月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資、中国10~12月期GDP、米1月ニューヨーク州製造業業況指数、20日の独仏伊首脳会談、23日のEU財務相会合、24日のEU財務相理事会、米大統領一般教書演説、24日~25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、25日のECB理事会(金利発表なし)、25日~29日の世界経済フォーラム(ダボス)、30日のEU首脳会議などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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