トヨタホーム、スマートハウスの販売を開始 PHVやEVを無償で貸与
2011年6月3日 18:50
トヨタホームとトヨタすまいるライフは3日、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証地域」として選ばれている「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」の中心となる実証住宅(スマートハウス)の販売を、6月3日から開始すると発表した。実証住宅は、愛知県豊田市東山町と高橋町地内の2箇所に、スマートハウスによる環境配慮型の先進的な住宅団地として建設する。 全体67区画のうち、第1期として14区画を販売する。
豊田市実証プロジェクトは、家庭内におけるエネルギー利用の最適化、低炭素交通システムの構築、家庭外におけるエネルギー利用の最適化、生活圏全体での行動最適化について低炭素社会システムを構築し、実証するもの。コミュニティの最小単位となる実証住宅で、省エネ・創エネ・蓄エネの各種機器を設置し、データを集め、実証する。
実証住宅として建設される「スマートハウス」とは、家電やクルマ、太陽光発電などを連携制御し、家庭内のエネルギーをより効率的に使う賢い住宅のこと。今回の実証住宅には、各種の省・創・蓄エネ機器に加え、プラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)など次世代自動車が設置される。
また、家庭内の機器や設備を一括管理する「HEMS(Home Energy Management System)」、「太陽光発電」、電力を貯めて活用できる「蓄電池」を全戸に導入する。 HEMSは、発電量や部屋ごとの使用量、履歴を「見える化」し、蓄電池への充放電やPHV・EVへの充電などを制御できるシステム。同システムにより、「太陽光発電」で創られ余った電力を蓄電池に蓄電し、電力消費の多い時間に使うなど、電力の効率的な利用が可能になる。
さらに、震災など非常事態が起きた場合を想定し、PHV等に搭載した電池を、車の動力に使うだけでなく、電化製品等を動かす非常電源として活用することも検討しているという。今回、東日本大震災による影響で電力不足が課題となったことをふまえ、災害時における節電やエネルギー自給といった面での貢献も期待できる。
なお、HEMS、太陽光発電、家庭用蓄電池、PHVおよびEVのほか、家庭用燃料電池(エネファーム)、ヒートポンプ給油器(エコキュート)、LED照明、エアコン、テレビ、家電コントローラースマートフォン、インターネット接続、車両用充電スタンドなどの実証用機器は、実験期間中(2011年9月から2015年1月)、無償で貸与される。また、一部の機器については、実験終了後も継続して使用できる予定。
区画面積は、168.16㎡(50.86坪)~240.84㎡(72.85坪)。販売価格は4100万円台からを予定している。入居時期は2011年9月からの予定。