地熱発電特集(3):地熱発電は世界の20カ国以上で稼働!関連市場規は年間3000億円
2011年5月5日 21:46

■地熱発電関連の世界市場は拡大基調
地熱発電は、米国、フィリピン、メキシコ、イタリア、インドネシア、日本、ニュージーランド、アイスランドなど、世界の20カ国以上で稼働している。その合計設備容量は約900~1000万キロワット、関連市場規模は発電機や開発分野などで年間3000億円程度とみられている。
そして、再生可能で安定的な出力が得られる自然エネルギーのため、地熱資源大国では新規開発に対する意欲が強い。世界第1位の地熱資源大国であるインドネシアは、発電設備容量を現状の約120万キロワットから、2025年までに、950万キロワットまで拡大する計画を打ち出している。米国オバマ政権のグリーン・ニューディール政策など、各国政府による新エネルギー導入の優遇政策強化も背景にあるだけに、地熱発電関連の世界市場は拡大基調だろう。
■地熱発電に強みを持つ日本企業約20社が連携を強化
地熱資源である高温の熱水や蒸気には、塩化物、硫化水素、二酸化炭素などの腐食性不純物や不凝結ガスなどが含まれるため、タービンなどの中核設備には、耐久性など安定的に発電する高い技術が求められている。
この点で、日本企業の技術力に対する評価は高く、特に中核機器となるタービン・発電機の世界市場シェアでは、東芝 <6502> 、富士電機 <6504> (富士電機ホールディングスが2011年4月1日付で富士電機システムズを吸収合併して社名変更)、三菱重工業 <71011> という、実績が豊富な日本の3社合計で約7~8割を占めている。そして、インドネシアやニュージーランドなど、世界各国の地熱発電所開発プロジェクトを、タービン・発電機メーカーと総合商社が共同受注するケースも多い。
さらに、発電設備の受注にとどまらず、成長市場である海外での地熱発電事業の開発分野から運営分野まで、事業領域の拡大に向けて、タービン・発電機メーカー、総合商社、電力会社など、地熱発電に強みを持つ日本企業約20社が連携を強化している。日本政府の支援も受けて、インドネシアやフィリピンなど、地熱資源が豊富な国に対して共同で事業提案するほか、地熱発電所の開発リスクを軽減するため、日本政府による金融支援策や、相手国政府との許認可折衝など、官民連携の施策も検討する。
【参考:主な地熱発電関連銘柄一覧】 日鉄鉱業 <1515> (東1)=発電所 東京エネシス <1945> (東1)=プラント工事 日揮 <1963> (東1)=プラント工事 太平電業 <1968> (東1)=プラント工事 東芝プラントシステム <1983> (東1)=蒸気タービン 三菱ガス化学 <4182> (東1)=システム 出光興産 <5019> (東1)=発電所 JXホールディングス <5020> (東1)=発電所 新日本製鐵 <5401> (東1)=発電所 ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> (東1)=プラント、タービン 三菱マテリアル <5711> (東1)=発電所 鉱研工業 <6297> (JQS)=掘削機械 酉島製作所 <6363> (東1)=プラント、ポンプ 日立製作所 <6501> (東1)=タービン 東芝 <6502> (東1)=タービン・発電機 富士電機ホールディングス <6504> (東1)=タービン・発電機 三井造船 <7003> (東1)=タービン 三菱重工業 <7011> (東1)=タービン・発電機 伊藤忠商事 <8001> (東1)=プラント 丸紅 <8002> (東1)=プロジェクト 兼松 <8020> (東1)=プロジェクト 住友商事 <8053> (東1)=プロジェクト 三菱商事 <8058> (東1)=プラント 西華産業 <8061> (東1)=プラント、タービン 神鋼商事 <8075> (東1)=タービン 東京電力 <9501> (東1)=発電所 東北電力 <9506> (東1)=発電所 九州電力 <9508> (東1)=発電所 北海道電力 <9509> (東1)=発電所 J-POWER <9513> (東1)=発電所 応用地質 <9755> (東1)=地質調査 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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