FAB’ENTECHがH5N1型鳥インフルエンザ向け新製品の第1相臨床試験をシンガポールで開始

プレスリリース発表元企業:Fab’entech

配信日時: 2012-10-16 19:19:00

Fab’entechが開発した抗H5N1特化型の多クローン性免疫グロブリンは、ヒトにおけるH5N1型鳥インフルエンザの治療で新しいアプローチの展望を開く

(仏リヨン)- (ビジネスワイヤ) -- 新興感染症に特化した多クローン性免疫グロブリンの開発を専門とするフランスのバイオ製薬企業Fab’entechは、H5N1型鳥インフルエンザ治療製品につき、ヒトを対象とした初の臨床試験を開始すると発表しました。動物試験から得られた有望な結果が裏付けられれば、これらの免疫グロブリンはH5N1ウイルスに感染または曝露したヒトの治療において新たな特化型アプローチを提供できる可能性があります。

このアプローチは、ウイルスを認識・標的化・中和できる特化型抗体(免疫グロブリン)を患者に注射するという受動免疫療法に基づくものです。Fab’entechは産業規模で既に実証・確立された製造工程に基づき、ウイルスを中和する高純度の免疫グロブリンを提供することができます。

Fab’entechの創立者で最高経営責任者(CEO)のDr. Bertrand Lépine(MD)は、次のように述べています。「第1相臨床試験は、ヒトにおけるH5N1ウイルス感染と戦うための力を秘める革新的ソリューションを提供する上で、重要な節目となる成果です。臨床試験はシンガポールで実施されますが、シンガポールはH5N1ウイルス蔓延のリスクが世界で最も高い地域の1つであるアジア太平洋地域に位置しています。抗H5N1特化型の多クローン性免疫グロブリンの注射は、同ウイルスに感染または曝露したヒトに対し、速やかな防御能を提供すると考えられます。」

本製品の優れた安全性プロファイルと有効性は、リヨン(フランス)のフランス国立医学研究機構(INSERM)が運営するジャン・メリューBSL-4研究所と共同で実施した動物試験で広範囲にわたって証明されています。シンガポールで実施される臨床試験には、健康な成人ボランティア16人が参加し、5週間にわたってモニタリングを受けます。試験は二重盲検プラセボ対照試験で、臨床試験実施基準(GCP)に厳密に従って実施されます。

H5N1型鳥インフルエンザについて

鳥インフルエンザはインフルエンザウイルスのA(H5N1)株が引き起こす感染症で、主として鳥類で(特に野生の水鳥だが、時には家禽においても)発生します。歴史的に、ヒトが鳥インフルエンザウイルスに感染した例はきわめてまれですが、 特定のH5N1株はヒトに重篤感染症を引き起こすことがあり、それによる死亡率は一部の地域、特にアジアでは60~80%に達する場合があります。

世界保健機関(WHO)によれば、2003年以来、ヒト感染が608例報告され、うち30例は2012年前半に発生しています。科学界は、特にH5N1ウイルスが変異してヒトの間で伝染する能力を得た場合、H5N1インフルエンザの世界的流行は依然として実際的脅威になっているとみています。

Fab’entechについて

Fab’entechは2009年にリヨンで創立されたバイオ製薬企業で、リヨンバイオポールの中心部に位置しています。Fab’entechはフランス国立医学研究機構(INSERM)が運営するジャン・メリューBSL-4研究所(仏リヨン)との提携の下、サノフィのワクチン部門であるサノフィパスツールが確立した技術を活用して、特化型の多クローン性免疫グロブリンを基盤に、一連の革新的な受動免疫療法ソリューションを開発・商業化しています。 Fab’entechはこのアプローチによって、治療ソリューションが存在しないか限られている新興感染症(H5N1型鳥インフルエンザ、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、エボラ、ニパウイルス、ラッサ熱、SARS、チクングニア熱等)のリスク増大という状況において、公衆衛生面のニーズに迅速な対応が可能となっています。

Fab’entechは国際的に認められた専門家や専門パートナーとの提携の下、世界的な射程の革新的なプログラムを幾つか開発しました。これらのプログラムは公的資金および民間資金の援助を受け、こうした公衆衛生上の問題に対する柔軟な適合化ソリューションを提供するものです。

詳細情報についてはwww.fabentech.comをご覧ください。

注意事項

本プレスリリースは、本製品の臨床試験および開発・商業化の可能性に関して、将来見通しに関する記述を含みます。臨床試験と製品の開発・商業化成功はさまざまな要因に依存しています。それら要因には、将来の患者組み入れのタイミングと成否、患者における予期しない有害反応のリスク、規制当局からの承認、医療業界からの本製品に対する需要レベルが含まれます。将来の研究がデータの積み重ねで、これまでの研究よりも不利な結果を示す可能性があり、また製品候補が常に適切な治療効果を示したり、規制当局の承認を取得したり、商業的成功を得たりする確実性はありません。さらに製品の開発・試験・マーケティングコストに関わる将来見通しに関する記述は本質的に、予期せぬ困難や費用が発生し得る結果、不確実性による影響を受けます。

参考文献

WHO. Avian influenza. Factsheet. Updated April 2011. http://www.who.int/mediacentre/factsheets/avian_influenza/en/index.html (accessed 28/09/2012) (WHO、鳥インフルエンザに関するファクトシート) CDC. Information on Avian Influenza. http://www.cdc.gov/flu/avianflu/. (accessed 28/09/2012) (CDC、鳥インフルエンザに関する情報) WHO. Cumulative number of confirmed human cases of avian influenza A(H5N1) reported to WHO as of 10 August 2012: http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/EN_GIP_20120810CumulativeNumberH5N1cases.pdf. (accessed 28/09/2012) (WHO、2012年8月10日までにWHOに報告された確認済み鳥インフルエンザA(H5N1)ヒト感染例の累積数) WHO. Avian influenza: assessing the pandemic threat. January 2005 – WHO/CDS/2005.29. http://whqlibdoc.who.int/hq/2005/WHO_CDS_2005.29.pdf. (accessed 28/09/2012) (WHO、鳥インフルエンザの世界的流行による脅威の評価、2005年1月、WHO/CDS/2005.29.) 本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

連絡先
Fab’entech
Bertrand Lépine, CEO, +33 (0)4 37 70 67 67
Press:
Azizé Merle, +33 (0)4 37 70 13 11
azize.merle@fabentech.com

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