GSMAの新報告書によると、アラブ諸国の半数以上の市民がモバイルネットワークに加入

プレスリリース発表元企業:GSMA

配信日時: 2014-10-21 19:33:00

アラブ諸国のモバイル業界は世界平均より早いペースで成長し、地域のGDPに4.4パーセント貢献するとともに、100万人の雇用を直接的にサポート

(アラブ首長国連邦ドバイ)- (ビジネスワイヤ)-- 中東と北アフリカのアラブ諸国は、モバイルサービスの加入者が人口の半分を超えるようになったため、モバイル技術を利用して社会・経済的成長を促進できる独自の機会が、これら地域にもたらされています。GSMAの新報告書「アラブ諸国:モバイル経済2014(Arab States: Mobile Economy 2014)」によると、2013年末時点における同地域のユニークモバイル加入者数は1億9500万人で、普及率は全人口の53パーセントでした。同年末のこの地域のモバイル接続1は、計4億400万件に達しました。

GSMAのアン・ブーベロ事務局長は、次のように述べています。「過去5年間に、アラブ諸国のモバイル分野が飛躍的に拡大し、多様性のある当地域のすべての国々が重要な社会・経済的恩恵を受けています。当地域の通信事業者はモバイルブロードバンドのネットワークとサービスに投資を続けていますが、当地域の政府に呼び掛けたいのは、モバイル業界と連携し、サービスが不充分な北アフリカでの本格的なネットワーク展開から、ドバイのような世界的なビジネス拠点を支えられる適切なインフラの確保まで、さまざまな目標を達成してほしいという点です。」

「新興経済圏では、モバイルコマースソリューションによって、銀行口座を持たない人々にまで金融サービスが拡大されており、デジタル格差を縮める上で貢献しています。また湾岸諸国では、機械間ソリューションやスマートシティーソリューションなどの分野で、モバイルが革新をけん引しています。さらにモバイルネットワークは、災害対応や危機管理でも重要な役割を果たすようになっています。」

多様性のあるモバイル市場

アラブ諸国を構成する19市場は、先進的な湾岸諸国と人口密度の高い多数の北アフリカ新興市場の両方から成ります。これら2つの下位地域は、社会経済、モバイル普及率、技術の成熟度、規制環境の点で、大きく異なります。

バーレーン、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)を含む多数の湾岸諸国は、ユニークモバイル加入者の普及率が既に75パーセントを上回っています。それに対して、南スーダンのモバイルサービス加入者は人口のわずか16パーセントです(表を参照)。同地域最大の市場であるエジプトは、2013年末のユニークモバイル加入者数が4400万人に上り、同地域全体の23パーセントを占めています。市場規模で見た場合の上位5カ国は、エジプト、サウジアラビア、イラク、アルジェリア、モロッコとなり、これら5カ国の合計は同地域におけるユニークモバイル加入者基盤の3分の2に迫る割合となっています。

アラブ諸国、2013年におけるユニークモバイル加入者の普及率(人口に対する割合)

アルジェリア   48% バーレーン   76% エジプト   53% イラク   60% ヨルダン   71% クウェート   77% レバノン   51% リビア   61% モロッコ   51% オマーン   72% パレスチナ   46% カタール   73% サウジアラビア   74% 南スーダン   16% スーダン   41% シリア   42% チュニジア   53% アラブ首長国連邦   83% イエメン   45% アラブ諸国(合計)   53% 出典:GSMAインテリジェンス

急成長中のアラブ諸国地域

過去5年間にアラブ諸国のモバイル業界は、世界平均よりも早いペースで成長しました。2008〜2013年にかけて、ユニークモバイル加入者の年平均成長率(CAGR)が 9.5パーセントであったのに対し、世界では8.2パーセントでした。また同期間中に、モバイル接続件数も年間13.2パーセント成長し、世界の11パーセントを上回りました。

この地域は固定線インフラが全体的に欠如しているため、モバイルが既に主要な通信手段になっているだけでなく、インターネットアクセスの主要手段としての役割も一層増しています。モバイルは、デジタル格差に対処し、とりわけ北アフリカの一部など、これまでサービスを十分に受けられなかった人々の金融包摂において、積極的な役割を担ってきました。

世界的に見た場合、アラブ諸国は高速ネットワークを展開したのが比較的遅かったにもかかわらず、多数の湾岸諸国が世界の技術リーダーと見なされています。現在、湾岸諸国のモバイルブロードバンド(3G/4G)は、総接続件数の3分の1を優に上回り、カタール、サウジアラビア、UAEでは総接続件数の60パーセントに達しています。このうちカタールとUAEの2市場は、世界で最もスマートフォンの普及率が高い国でもあります(接続件数の80パーセント)。

北アフリカでは、技術の移行が加速して進行している兆しも見られます。モロッコのような国では、3G接続が急成長を示しています。モバイルブロードバンドネットワークの本格展開が加速し、スマートフォンの普及率も増加していることから、同地域全体でモバイルデータが成長しています。現在、同地域の通信事業者の大多数においては、サービス収入全体にモバイルデータが占める割合が高く、その増加率が急速に増しています。

経済への貢献

モバイルはこの地域の社会・経済的発展の重要な要因です。モバイル業界は2013年に、同地域の国内総生産(GDP)に1220億米ドル貢献しており、これは全体の4.4パーセントに相当します2。その年、業界は100万人近くを直接雇用したほか、モバイル分野が生み出した活動によって、別の経済分野でさらに60万人の雇用を支えました。また同地域のモバイル業界は、規制関連料金や周波数使用料に加え、税収(2013年に130億米ドル)という形を通じて、公共部門の財政に大きく貢献しました。

過去5年間に、同地域のモバイル通信事業者によるモバイル売上高の年平均成長率(CAGR)は7パーセントと、世界の4.6パーセントを大きく上回りました。通信事業者は過去6年間に750億米ドルを投資して、ネットワークの通信エリアの拡大、ネットワーク容量の増加、モバイルブロードバンドネットワークの展開に活用しています。

「モバイルは当地域全体で、画期的な新サービスと新アプリケーションの波に力を与えています。しかしこれは、モバイルブロードバンドのよい方向での変革的な潜在能力のほんの始まりに過ぎません。地域の通信事業者は、地域の社会的・経済的サービスや公共サービスの課題に対応できる新ソリューションを提供する上で、信頼できる立場にあります。GSMAは当地域の各国の通信事業者、政府、その他の関係者と協力して、そのようなサービスを市場で提供できることをうれしく思います。」(ブーベロ事務局長)

報告書全文は、こちらをご覧ください:arabstates.gsmamobileeconomy.com

-以上-

GSMAについて

GSMAは世界中のモバイル通信事業者を代表する団体です。GSMAは220カ国以上にわたり、モバイル事業約800社、携帯電話機および端末メーカー、ソフトウエア企業、機器プロバイダー、インターネット企業のほか、金融サービス、ヘルスケア、メディア、運輸、公益などの業界の組織など、広範囲なモバイル・エコシステムを構成する250社を結集しています。GSMAはモバイル・ワールド・コングレスやモバイル・アジア・エキスポといった業界を主導するイベントの開催も行っています。

詳細情報については、GSMAのウェブサイトwww.gsma.comをご覧ください。GSMAをツイッターでフォローしてください:@GSMA

1 ユニークモバイル加入者は、複数のモバイル接続契約をしている場合があります。モバイル接続件数の合計はセルラー機器間(M2M)接続を含みます。

2 GDP全体に与える影響には、モバイルネットワーク通信事業者が直接的に貢献する350億米ドルが含まれます(GDPの1.3パーセント)。

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