HIS、気球型宇宙船による宇宙旅行販売へ 米社と契約 日・加で年内発売

2022年9月27日 07:52

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スペースシップ・ネプチューンのイメージ(画像:HISの発表資料より、スペース・パースペクティブ提供画像)

スペースシップ・ネプチューンのイメージ(画像:HISの発表資料より、スペース・パースペクティブ提供画像)[写真拡大]

  • 宇宙旅行の行程概要(画像:HISの発表資料より)

 HISは26日、日本とカナダにおける気球型宇宙船「Spaceship Neptune(スペースシップ・ネプチューン)」による宇宙旅行の販売権契約を締結したと発表した。旅行の企画運営は、米フロリダ州の宇宙ベンチャー企業であるSpace Perspective(スペース・パースペクティブ)が手がけており、HISは今回の契約締結に伴い、同社と提携。2022年内から、スペースシップ・ネプチューンによる宇宙旅行の販売開始を予定している。

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 スペースシップ・ネプチューンは、環境負荷の少ない水素を推進剤に用いたスペースバルーンで、高度約30キロメートルまで上昇する。高度30キロメートルの上空は、宇宙の入り口と称される成層圏内で、無重力にはならない。そのため搭乗者は事前トレーニングが不要で、年齢・体重などによる制限もなく、老若男女が広く参加可能という。

 旅行時間は約6時間。時速12マイルで約2時間かけて上昇し、高度約30キロメートルの高さで約2時間飛行、約2時間で緩やかに降下し海に着水する。着水ポイントでは船が待機しており、それに乗り換えて陸まで向かい、旅行行程終了となる。

 スペースシップ・ネプチューンの気球は、体積が最大約50万立方メートルとなり、サッカースタジアムが入るほどの大きさ。宇宙船内は無重力状態にならず、機体には熱制御システムが搭載されているため、快適な空間が保たれ、乗客は宇宙船内を自由に動くことができる。

 船体には360度見渡せる窓があり、パノラマビューが楽しめる。船内にはリクライニングシートを設置、バーも併設し食事やドリンクのサービスを提供する。トイレももちろん完備している。WiFiによる通信機能もあり、ライブストリーミングなどで活用できるという。旅行者の定員は最大8名。費用は1人あたり12万5,000ドルを予定している。

 スペース・パースペクティブは、商業飛行の開始を2024年後半に予定。宇宙船の飛行テストは、スペースバルーンの専門家に加え、シーメンスやAWSの協力も得て進められている。22年7月時点で既に約900枚のチケット購入があり、25年以降の予約を開始している状況という。

 HISは16年10月に、宇宙機開発などを手がけているPDエアロスペース、ANAホールディングスと資本業務提携を締結。エンジンを用いた宇宙機開発や、宇宙輸送事業に対し出資を行っている。その後は、宇宙関連オンラインツアーの開催などに留まり、大きな動きはなかった。スペースシップ・ネプチューンの宇宙旅行の販売権契約締結は、HISの宇宙旅行事業拡大のきっかけになると期待される。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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