産廃物処理大手:ダイセキの、下方修正を読み込みたい

2022年8月17日 14:10

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 産業廃棄物(産廃物)処理を巡っては、良いニュースになかなか出会えない。「不法投棄が相次いでいる」とされる。現状で「最終処理場(埋立地)」の容量は、10年で目いっぱいになるとされている。加えて新たな処理場用地の確保が、極めて難しい状況にあるという。

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 だが産廃物処理の問題は、道をつけることが不可避なことは言うまでもない。

 産廃物処理に関して、ある事実を知った。ダイセキ(東証・名証プライム)。産廃物処理の大手業者だ。廃液・廃油の中間処理やリサイクルが主業。そんなダイセキの決算が、ある現実を教えてくれた。

 前2022年2月期の「10.3%増収、26.3%営業増益、4円増配60円配」に続き今期も、「7.2%増収、8.1%営業増益」と順調な計画で立ち上がった。第1四半期は「前年比同期比2.0%減収、0.6%営業増益」と、まずまずの通過に見えたが開示と同時に下方修正した。新たな通期計画は「3.8%の増収(590億円)、5.1%の営業増益(136億円)」。その理由をダイセキは、こう説明した。

 「原材料やエネルギー価格の上昇、半導体不足に伴う自動車業界の景況感の悪化は、原油価格上昇に伴うリサイクル燃料販価が徐々に改善されたことで(第1四半期は)ダイセキは増収増益。(グループの)ダイセキMCRが手掛ける鉛リサイクル事業は、円安による鉛相場の高止まりで採算は大きく改善した。

 だがダイセキ環境ソリューションが手掛ける土壌汚染処理関連事業は、大都市圏の低価格競争の激化に巻き込まれる結果となった」

 この下方修正の理由から、我々は何をどう読み取るべきなのか。整理すると・・・

★産廃物埋め立てに伴う土壌汚染対応事業は、既に市場性が保てない状況に追い込まれている。このままでは、事業の採算は低下一途。新たな埋立地確保の目途が立たなければ???

★自動車産業に象徴される半導体不足に伴う景況感の悪化=鉱工業生産の低迷は、産廃物業者の収益にも相応の影響を及ぼす。

★全産業にとって重石となっている原油価格高、円安は一面でダイセキGにプラスに働くも一方で鉛リサイクル品の高値につながり他産業にマイナスに働く。

 改めて、産廃物処理業の立ちどころの難しさを痛感させられた。

 が、この事業がいかに大事なものかは「株価が誰よりも理解している」という事実に接し、ある種「ホッ」とするものを感じた。ダイセキの本校作成中の時価は3800円出入り。予想税引き後配当利回り約1.3%。1月高値から1400円近く下値にあるが、IFIS目標平均株価は「割安」の5675円と上昇余地を示している。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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