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デクセリアルズが「ニッチでリッチ」とされる訳
異方性導電膜(ACF)の製品(画像: デクセリアルズの発表資料より)[写真拡大]
デクセリアルズ(東証プライム)。異方性導電膜や光学弾性樹脂など、ニッチな電子部材・材料に特色。収益動向は文字通り「ニッチでリッチ」。
【こちらも】トリケミカルが「ニッチでリッチな企業」と称される理由
2021年3月期の「145.6%営業増益」に続き前期も「45.4%増収、135.0%営業増益、212.8%最終増益、16円増配60円配」。今23年3月期も「14.9%の増収(1100億円)、16.4%の営業増益(310億円)、20.0%の最終増益(200億円、最高益連続更新)、創業10周年記念配5円をつけ65円配」計画。
絶好調の背景は、デクセリアルズの商品の主要業界:一般消費者向けIT製品市場で「スマホ」「ノートPC」の高性能製品の拡大。
ニッチでリッチを前期決算から読むと、以下のような具合。
【光学材料部品セグメント】 光学フィルム: スパッタリング技術で製造された反射防止フィルム(ディスプレイの最表面に貼ることで光反射を抑え、見やすくする)がノートPCディスプレイ向け&車載ディスプレイ向けに数量増。新製品の蛍光体フィルム寄与。光学樹脂材料: 光学弾性樹脂がタブレット向け及び車載製品で増加。精密接合用樹脂が大手顧客のスマホ向けに数量増。結果、前年同期比72.1%増収、137.7%営業増益。
【電子材料部品セグメント】 接合関連材料: 車載及びノートPCの汎用用品の数量増。異方性導電膜(ICチップなどの電子部品を基板に実装し、回路形成に際し不可欠なフィルム状の接合材料): スマホの高性能モデルのディスプレイ向け新製品や粒子整列型の新採用効果が寄与。表面実装型ヒューズ: 電動工具・電動バイク・コードレス電動クリーナーなど、大電流向け製品の数量増効果。結果、26.2%増収、101.0%営業増益。
今期についてもデクセリアルズでは、「採用拡大の方向性に変化なし」と強気の姿勢を崩していない。
前期の決算発表後の7月22日に、それを改めて訴求する『デクセリアルズ、異方性導電線、スパッタリング技術で製造された反射防止フィルム、光学弾性樹脂の3製品で世界シェアNo1を3年連続で獲得―富士キメラ総研「2022ディスプレイ関連市場の現状と将来展望―」』と題するニュースリリースが届いた。こんな内容が記されている。
★異方性導電膜: 世界シェア62.8%。
★スパッタリング技術で製造された反射防止フィルム: 97.1%。
★光学弾性樹脂(ディスプレイのトッププレートと下の液晶モジュールなどの間に充填する接着剤): 64.3%。
ニッチでリッチな企業の時価は3900円水準。年初来高値から500円方下値。IFIS目標平均株価は1000円近く上値。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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