JR東日本、「JRE Local Hub」の展開で地域拠点化促進 燕三条駅から

2022年7月6日 07:37

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JRE Local Hub 燕三条の計画イメージ(画像:JR東日本の発表資料より)

JRE Local Hub 燕三条の計画イメージ(画像:JR東日本の発表資料より)[写真拡大]

  • 拠点設置場所のイメージ(画像:JR東日本の発表資料より)

 JR東日本は5日、地方創生型ワークプレイス「JRE Local Hub」の展開を開始すると発表した。拠点第1号は、新潟県のJR燕三条駅構内。新潟県三条市とは同日付けで連携協定を締結し、開発は地域の運営パートナー企業であるドッツアンドラインズと共に行う。JR東日本がこれまで進めてきた駅の「地域拠点化」の1つとして、地方創生や産業振興、雇用創出に貢献していくという。

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 JRE Local Hubのコンセプトは、「地域をつなぐ」「世代をつなぐ」。コンセプトに沿いJRE Local Hub燕三条では、5つの役割を予定している。

 まず、燕三条の地元製造業と他地域の企業とのビジネスマッチングを行うコンシェルジュの設置。オンライン会議なども活用し新たなビジネスの創造を目指すという。

 ものづくり関連情報を中心に地域情報の発信拠点も担う。展示や工場見学ツアーなども予定している。

 拠点スペースも活用予定で、時間制シェアオフィス・コワーキングスペースとして開放。利用者同士が交流できるような空間と個室ブースの提供を行うという。

 さらに、遠方地域と都市や教育機関などをつなぐ次世代会議室の設置や、地域の人材育成を行うプログラム「JRE STATIONカレッジ」の提供なども予定している。

 JRE Local Hubが置かれる燕三条地域は、世界有数の金属産業の町として知られている。江戸時代初期の和釘の生産が始まりとされており、その歴史は長い。技術は時代に応じて進化し、燕市では洋食器やステンレス製鍋など、三条市は包丁などの刃物類の製造技術に強みを持つ。

 そうした燕三条の産業発信や技術と企業をつなげる取組みを行っているのが、今回運営パートナーとなったドッツアンドラインズだ。同社は2020年3月創業。三条市内の無人駅JR帯織駅にものづくり体験・交流拠点「EkiLab帯織」を開設し、地域の技術を活かした商品開発などを手がけている。JR東日本のECサイトで特産品などを販売するショップの運営も担当。そうした経緯から今回の連携に至っている。

 JR東日本の地域拠点化は、18年発表のグループ経営ビジョン「変革2027」に基づく。その主な取組みの1つに「地方を豊かに」があり、施策として駅の地域拠点化が挙げられている。そうした流れの中で21年3月には「Beyond Stations構想」を発表。駅の在り方を変革し新たなビジネスを創る場や、つながりを生む場にすると打ち出した。前述の人材育成カレッジもその時に起案されている。

 JRE Local Hub燕三条は、22年度冬頃のオープンを予定(カレッジは23年度開校予定)。燕三条を皮切りにJR東日本は今後、地域拠点開発への賛同や協力が得られる他地域に対してJRE Local Hubを展開していくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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