23日の香港市場概況:ハンセン1.3%高で反発、自動車セクター相場けん引

2022年6月23日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 23日の香港市場概況:ハンセン1.3%高で反発、自動車セクター相場けん引
23日の香港市場は、主要69銘柄で構成されるハンセン指数が前日比265.53ポイント(1.26%)高の21273.87ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が128.08ポイント(1.75%)高の7463.08ポイントとそろって反発した。売買代金は1205億6110万香港ドルとなっている(22日は1269億4040万香港ドル)。


中国経済対策の期待感が相場を押し上げる流れ。中国政府は経済と消費を刺激する大型の成長支援策の検討に着手した。指数は中盤から上げ幅を拡大している。(亜州リサーチ編集部)


自動車セクターが全体相場をけん引。ハンセン指数の構成銘柄では吉利汽車HD(175/HK)が7.4%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が4.5%高、ハンセン(科技)指数の構成銘柄では小鵬汽車(9868/HK)が9.8%高、理想汽車(2015/HK)が9.4%高と値を上げている(理想汽車は上場来高値更新)。産業支援策が追い風。国務院(内閣に相当)は22日、李克強・首相の主宰で常務会議を開き、自動車消費の支援策を強化する方針を確認した。足もとでは、販売状況も改善している。業界団体が22日に発表した週間データによると、6月第3週(13〜19日)の1日当たり乗用車小売台数は前年同期比で39%増加した。


中国不動産セクターもしっかり。景泰富集団HD(1813/HK)が6.9%高、華潤置地(1109/HK)が3.2%高、広州富力地産(2777/HK)が2.9%高で引けた。住宅販売の持ち直しが期待される。研究機関の上海易居房地産研究院によれば、主要100都市の新築住宅取引面積は今年6月に2506万平方メートルとなり、前月比で21%増加する見通しという。


中国の証券・保険セクターも物色される。中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が7.6%高、広発証券(1776/HK)が3.0%高、中信証券(6030/HK)が2.3%高、中国人寿保険(2628/HK)が3.2%高、中国平安保険(2318/HK)が1.9%高で取引を終えた。


他の個別株動向では、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が6.4%高。傘下の金融サービス会社、マ蟻集団(アント・グループ)が6月中にも、金融持ち株会社の設立に向けた申請を提出する見通しと伝わったことが好感されている。持ち株会社化で政府の締め付けが回避できると歓迎された。


半面、海運セクターは急落。太平洋航運集団(2343/HK)が6.4%安、東方海外(316/HK)が5.3%安、中遠海運HD(1919/HK)が3.4%安で取引を終えた。


非鉄セクターも安い。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.9%、江西銅業(358/HK)が3.7%、国宏橋集団(1378/HK)が2.1%ずつ下落した。


一方、本土市場は4日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.62%高の3320.15ポイントで取引を終了した。自動車株が高い。不動産株、ITハイテク株、金融株、エネルギー株、インフラ関連株、素材株、食品飲料株、医薬品株、空運株なども買われた。半面、発電株はさえない。

亜州リサーチ(株)《FA》

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