スタンダード市場の注目企業:ミナトHDの収益の波と今後を読む

2022年4月29日 08:31

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 ミナトホールディングス(スタンダード市場、以下ミナトHD)の事業の3本柱は、「産業用メモリー」「デバイスプログラマー」「ATM用タッチパネル」。調べてみたいなと思ったのは、注視されている半導体とも絡みを持つミナトHDのここにきての利益動向の波。2020年3月期までは順調に営業利益を増やしてきたが21年3月期に一転。そして今期がまた急転大幅営業増益という流れへの興味。具体的には・・・

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 20年3月期の28.8%営業増益に対し、21年3月期は31.8%増収も「28.0%の営業減益」。そして今期は、「38.2%の増収(220億円)、145.4%の営業増益(5億4000万円)」計画。開示済みの第3四半期実績は計画比で「売上高79%、営業利益89%」。なにがどうなっているのか!?・・・前期・今期の決算を精査する以外にない。

 前3月期はまず売上高比率が大きい順に、こんな具合。

(I)メモリーモジュール事業: 個人向けPC向けはテレワークの高まりで堅調に推移。だが産業用途向けがコロナ禍の影響で顧客企業の在庫調整や減産、投資遅延の動向に晒された。年度後半にはコロナの影響度減少も、「9.6%減収、33.4%営業減益」。

(II)テレワークソリューション事業: 20年8月にM&Aで傘下に入れたプリンストン(TV・WEB会議などのデジタル会議システム関連機器の販売及び保守サービス)の寄与で、1億1500万円の営業利益を計上。

(III)デジタルデバイス周辺機器事業: 19年に文科省が始めたGIGAスクール構想が進む中で、タブレット端末用のタッチペンなどの周辺機器が好調に推移。プリンストンが扱うeスポーツ関連品が巣ごもり需要にマッチ。8500万円に営業利益を生んだ。

 対して今期の大幅な増収増益の最大の要因は「I」の急速な回復。中間期時点で捉えると、前年同期比「26%の増収(55億8600万円)、74.4%の営業増益(3億5300万円)」。世界的な半導体不足の危惧が顧客企業の部材確保需要を高めた結果、主力の産業用途向けメモリーモジュールが「半導体検査装置」「工作機械」「ロボット」用を中心に購入の増加を促した。テレワーク関連や巣ごもり消費の持続を背景に、PC向け需要も順調に推移した。

 またミナトHDの今後を展望するとき着目しておきたいのが、そもそも得手のM&A戦略の積極的展開がある。記したプリンストンの他にも20年8月にはパイオニア・ソフトを、21年2月にはアイティ・クラフトを子会社化している。前者は「業務システムの受託開発」、後者は「システム構築、技術者派遣」を手掛けている。ミナトHDと顧客との関係を「密」にする子会社と言える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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