私も挑みたい、「配当貴族株」投資のイロハ

2022年3月23日 08:08

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 少子化時代。老後の資金の中心になる年金は、時代時代の若い世代が原資を担う。「2021年の出生者が84万人と過去最低更新」といった事実を知ると、危惧されている「原資破綻の危険性」が現実味を帯びてくる。20代・30代の若い世代は、「年金はあてにできない」くらいの覚悟で「自らの手で資産づくり」に一刻も早く目覚めるべきだ。

【こちらも】初心者投資家もベテランも「配当貴族指数」のススメ【日本株】【米国株】

 「預金」「有価証券」「不動産」。だが今は超低金利時代。預貯金は「?」。低金利下でのマイホーム取得は一策。が、現実問題として人生最大の買い物を「右から左に」という具合にはいかない。

 では有価証券投資、一歩踏み込んで株式投資はどうか。それも若い世代が「国際感覚」を身に着けることにも繋がる、米国株投資。株式投資については「リスクを取りに向かわずしてリターンもなし」という一面が否定できない。だが私が若ければ挑む。万全の準備をして。具体的には・・・

●(I)米国株の選択法

 前にも記したが、配当貴族株指数の構成銘柄がその対象にふさわしい。S&P500種企業のうち『25年以上連続増配』を実現している企業。現状では50余社が該当する。コカ・コーラ、ペプシコーラ、P&G、ウォルマートなど日本でも馴染み深い企業も多い。

 25年以上連続増配というのは、容易ではない。そうした企業群で構成される配当貴族株指数が、2008年のリーマンショック時の世界的大暴落の後、世界の株価指数の中でいち早くリーマンショック「前」を回復したのも頷ける。私なら配当貴族株指数銘柄を米国株投資の対象とする。

●(II)口座開設の証券会社選別法

 取引手数料は必ずかかる。が、証券会社によりその体系は異なる。取り扱い銘柄数も証券会社により異なる。配当貴族株指数の構成銘柄がどのくらい含まれているかを調べておくべき。口座開設自体は無料なので、複数社で口座を開くというのも1つの方法。

 取引手数料は、例えばネット証券のマネックス証券で「約定代金の0.495%(税込み、以下同様)」。野村証券で「最大1.045%、約定代金が75万円以下の場合は最大7810円」。ネット証券の場合は割安といえる。

 取り扱い銘柄数も現状ではマネックス証券が4100銘柄超で最も多く、野村証券の580銘柄余に大きく差をつけている。

●(III)最大のポイントは銘柄研究

 投資したい株が選定した証券会社の取り扱い銘柄の場合、「最近の収益動向・予想」「株価動向」「予想PER」「予想PBR」「配当利回り」等々を「しつこがられる」位に根ほり葉ほり問いただすべき。「納得するまで買い注文は出さない」といった姿勢を見せつけるべき。

 並行して「米国会社四季報」(東洋経済)くらいは手元に置くべき。正確には四季報でなく年に2回刊行(春・秋、税込み3300円)。記載企業は「S&P500銘柄」「新興市場の有望銘柄」を合わせ約760企業。会社四季報同様に「社名」「銘柄コード」「企業概況」「業績動向」「指標(PERやPBR等)」「材料」などが、社名以外は日本語で記されている。

 そして毎号、発行時点での『株価上昇率編:米国の出世株トップ100』『増収率編:米国の成長株100』『配当利回り編:米国の高利回り株トップ100』『売上高トップ50』『低PBRトップ50』『連続増配年数トップ50』『初心者のための米国株の基礎知識』などが紹介されている。配当貴族株企業も諸々の角度から四季報と同様の体裁で記されている。備えあれば憂いなし。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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