ウエルシアHD、コクミンドラッグなど買収へ 調剤を強化

2022年1月19日 15:34

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 ドラッグストア大手のウエルシアホールディングス(HD)は18日、関西を地盤とするドラッグストアのコクミン、調剤薬局のフレンチの株式を取得して子会社とすることを、取締役会で決議した。取得株式数はコクミン株の76.26%、フレンチ株の100%。株式譲渡は6月1日の予定。

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 株式取得額は現在算定中で、確定次第に公表される見通し。当面、コクミンドラッグなどの店名は維持され、経営トップも続投する方向。ウエルシアHDは2022年2月期業績に与える影響を軽微としている。

 コクミンとフレンチはともに大阪市の不動産賃貸業・三絹の関連会社で、ドラッグストアのコクミンドラッグなど約170店を関西と首都圏を中心に全国展開している。ウエルシアHDの販売網が弱い九州や北海道に店舗を持つうえ、店舗の4分の1が調剤薬局を併設しており、ウエルシアHDが強みとする調剤のさらなる強化につながると判断された。

 コクミンはかつて「東のマツキヨ、西のコクミン」と呼ばれるほど勢いを持った時代があった。だが現在はドラッグストア年間売上高でトップ10に入っておらず、2021年4月期決算で約26億円の純損失を出している。フレンチも2021年4月期決算は4,600万円の純損失になった。

 ドラッグストア業界は、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要の増加が追い風になる一方、訪日外国人観光客の消失で大打撃を受けたところもある。ウエルシアHDは、2020年度の売上高は9,469億円で業界トップになったが、2位のツルハHDに加え、2021年10月に経営統合したマツモトキヨシ、ココカラファインと売上高1兆円規模で業界トップを争う、激しい販売競争を繰り広げている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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