10月の外食市場規模、5カ月連続マイナスも実施率は11カ月ぶりに60%超え

2021年12月2日 16:09

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 リクルートの調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」の調査によると、10月の外食市場規模は5カ月連続でマイナスとなったものの、前月の9月と比較するとマイナス幅が縮小しており、外食実施率は11カ月ぶりに60%を超えるなど、回復の兆しもあることが分かった。

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■5カ月連続で前年割れもマイナス幅は縮小

 1日、ホットペッパーグルメ外食総研が2021年10月の外食市場調査を発表した。10月の外食市場規模は前年同月比413億円減の2,114億円となり、5カ月連続でマイナスとなった。ただし9月の同870億円減からはマイナス幅が縮小。

 コロナ前の2019年比でも、9月の57.4%減から10月は同32.7%減とマイナス幅が縮小した。10月に緊急事態宣言が解除されたことに伴い、飲食店の営業時間短縮や酒類提供が緩和したことが影響した。

 個別の指数を見ると、外食実施率は前年同月比4.5ポイント減の60.0%。ただし外食実施率が60%を上回ったのは20年11月の60.4%以来。外食頻度は同0.25回減の3.54回、外食単価は同83円減の2,455円だった。

■外食実施率は男女ともに全ての年齢層でマイナス

 圏域別の市場規模は全国同様に3地域とも5カ月連続でマイナス。内訳を見ると、首都圏が前年同月比155億円減の1,291億円。首都圏の市場規模が1,000億円を超えたのは4月の1,014億円以来。関西圏は同200億円減の554億円で、500億円を超えたのは3月の550億円以来。東海圏は同58億円減の269億円だった。

 外食実施率は男女ともに全ての年齢層でマイナス。ただし30代男性(10月の外食実施率:65.4%、前年同月比:7.6%減、以下同じ)、30代女性(57.0%、6.5%減)、40代男性(62.2%、6.0%減)でマイナス幅が大きめだった一方、20代男性(67.8%、2.0%減)、60代男性(61.5%、0.9%減)でマイナス幅が小さめ。

 外食単価は男女ともに多くの年齢層でマイナスとなり、特に20代男性(10月の外食単価:2,181円、前年同月比:499円減、以下同じ)、50代女性(2,401円、239円減)などで大きく落ちこんだ。一方で30代男性(10月の外食単価:2,360円、前年同月比:265円増、以下同じ)、40代男性(2,338円、50円増)の2つの層がプラスだった。

■プラスは2業態のみ

 業態別市場規模は、全16業態中14業態でマイナス。特にマイナス幅が大きかったのは和食料理店(10月の市場規模:322億円、前年同月比:54億円減、以下同じ)、中華料理店(122億円、40億円減)、フレンチ・イタリアン料理店(169億円、34億円減)、すき焼き・しゃぶしゃぶ・鍋・おでん等の専業店(48億円、18億円減)、居酒屋(360億円、104億円減)、バー・バル・ワインバー・ビアホール・パブ(56億円、18億円減)など。

 プラスとなった2業態は、お好み焼き・鉄板焼き等の専業店(45億円、1億円増)、スナック・ナイトクラブ・キャバレー(44億円、4億円増)だった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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