障がい者対応を深耕する、ケア21の足元

2021年11月3日 07:36

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リールスメイト新小岩の機能訓練室(画像: ケア21の発表資料より)

リールスメイト新小岩の機能訓練室(画像: ケア21の発表資料より)[写真拡大]

 ケア21(JQ上場)について2021年4月1日の企業・産業欄に、『ケア21は重心児を含む障がい者向け放課後デイサービスも展開』と題する記事を掲載した。いわば今回は続編である。障がい者対応の福祉事業が急展開している。

【こちらも】ケア21は、重心児を含む障がい児向け放課後デイサービスも展開

 10月1日に配信された『東京都葛飾区で初、東京で3カ所目の放課後等デイサービス:リールスメイト新小岩開設!』というニュースリリース。そして会社四季報:秋号の特色欄『・・・・・総合福祉企業を標榜』とする記述が続編を決めた契機だった。

 ケア21は、関西を地盤に在宅介護(前期末時点271カ所)や老人ホームなど施設介護(同117カ所)を幅広く展開している。「総合福祉企業」とは何なのか。

 前記の「リールスメイト新小岩」が、一方の柱である。いわゆる『放課後等デイサービス(通称:放デイ)』。児童福祉法(学校教育法)に基づく(6歳から18歳の)障がいのある児童が授業の終了後あるいは休日に、生活能力・社会交流能力などの向上を図るための施設。「あったかデイ」「リールスメイト」ブランドで、前記の新施設で計13カ所目の展開となる。

 リリースを読み、放デイで障がい児がどんな風に過ごすのかに感心しながら、こんな行き届きぶりにも惹かれた。「午後2時から小学生、6時から中高生を事業所まで送迎。5時半以降は低学年から順次、児童・生徒の家まで送る」。就業する保護者は「安心」して、預けられる。

 放デイ、だけではない。保護者が例えば不可避な所用で数日家を空けざるをえない場合に、「短期滞在型介護サービス」を行う「障がい者ショートステイ」施設を、「色えんぴつ」ブランドで3カ所展開している。

 更には「障がい者に就業の機会」を、が時代の流れになっている。残念ながら「なかなか進まない」現状はあるが、企業の障がい者雇用の比率目標まで示されている。

 この「障がい者雇用」にケア21も、福祉事業の一環として積極的に取り組んでいる。担っているのは、特例子会社のサポート21。いわゆる「就労支援A型」の展開。具体的には、こんな形で障がい者の就労に関わっている。

 ケア21が全国で運営している介護付き有料老人ホーム「プレザンメゾン」「プレザングラン」での、清掃業務とキッチンでの調理補助業務。そしてケア21の大阪本社・東京本社での一般事務業務や大阪箕面事務所の室内軽作業、ポスティング作業。就労支援A型の場合パート就労となるため、各都道府県・自治体の最低賃金額が就労障がい者に担保される。

 ケア21の創業者(1993年)の依田平(現代表取締役会長)氏は「ダントツの業者を目指す」と言い切り、「そのためには」と当時(現在も同様だが)「介護士不足⇔介護士の処遇問題」を、「正社員比率8割を目指す」「賞与・退職金」等々を熱っぽく語ったことを覚えている。

 改めてウオッチし続けなくては・・・と思った。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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