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赤色矮星の電波から惑星が発見される可能性 豪クイーンズランド大の研究
木星のオーロラ (c) NASA[写真拡大]
赤色矮星は太陽質量の9%から60%程度の比較的小さな恒星で、銀河系にある恒星の4分の3を占める。太陽の寿命が100億年程度なのに対し、赤色矮星の寿命は太陽質量の0.1倍の星であれば約10兆年である。赤色矮星がけた違いに長寿な理由は太陽と比べ、核融合の進行がゆるやかで、消費される時間当たりの水素量が少ないためである。
【こちらも】ケプラー宇宙望遠鏡がもたらした赤色巨星の構造情報 独研究所が解析
豪州クイーンズランド大学の研究者らは、赤色矮星からキャッチした200メガヘルツ未満の低周波信号の中に、プラズマ発光を起源とするものが含まれている可能性を示唆する研究論文を発表した。論文は、10月11日に「ネイチャーアストロノミー誌上」で公開された。
プラズマ発光と言えば、オーロラを思い浮かべる。これは太陽風(プラズマ粒子)が地球の磁場に捉えられた際に起こる発光現象であり、赤色矮星から発せられた電波信号の中に、惑星におけるオーロラを起源とするものが含まれているかもしれないと言うのだ。また木星のような地球よりも強力な磁場を持った惑星におけるオーロラは、地球よりも規模も大きくはるかに強力である。
今回の研究では、19個の赤色矮星を観測し、その中から4個の赤色矮星において、プラズマ発光を起源とすると推測される電波を捉えたと言う。つまりこの4個の赤色矮星においては、強力な磁場を持つ惑星が存在しているかもしれないのだ。ただ現在の望遠鏡の能力では、この方法による惑星の探索ができるのは、165光年以内にある赤色矮星に限定されると言う。
太陽に最も近い恒星であるプロキシマケンタウリも赤色矮星だが、2016年に発見されたこの星を周回する惑星プロキシマケンタウリbは、ハビタブルゾーンにある。50億年後には太陽は寿命を迎えるが、プロキシマケンタウリはその頃においても輝き続けており、プロキシマケンタウリbに人類が移住できれば、そこで地球文明が存続できるかもしれない。つまり今回の研究は、地球人のはるか未来の移住先を見つけるのにも役立つかもしれないのだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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