Rocket Lab、Electronロケット打ち上げと第1段の回収に成功

2020年11月23日 08:57

印刷

記事提供元:スラド

Rocket Labは20日、30基の小型人工衛星を地球低軌道へ投入する相乗りミッション「Return to Sender」(PDF)を実施した(Ars Technicaの記事SlashGearの記事The Vergeの記事動画)。

ニュージーランド・マヒア半島のRocket Lab打ち上げ施設でElectronロケットが打ち上げられたのは日本時間20日11時20分。Electronロケット第3段(キックステージ)はペイロードをそれぞれ異なる軌道へ投入し、打ち上げは成功した。

今回のミッションではRocket Lab初となるElectronロケット第1段の回収が行われた。回収はロケット第1段をパラシュートで降下させ、海上に着水させるというもの。再突入後の映像はないが、着水後の画像をRocket LabのPeter Beck氏がTwitterに投稿している。Rocket LabではElectronロケット第1段の回収・再利用計画を昨年8月に発表しており、今年9月の時点では17回目の打ち上げで試行する計画を示していたが、今回の打ち上げは16回目だった。回収計画の第2段階ではパラシュートで降下中のロケット第1段をヘリコプターでキャッチする方式が示されている。

なお、キックステージにはチタン素材で3Dプリントした高さ150mmのガーデンノーム(ビデオゲーム「ハーフライフ」シリーズのGnome Chompski)が取り付けられていた。世界のゲーマーの革新と創造性に敬意を表するとともに、将来の宇宙機で使われる可能性もある3Dプリント技術を検証するという名目だが、実際にはValveのGabe Newell氏による慈善事業への寄付が目的だったようだ。Newell氏は打ち上げのライブ視聴者1名あたり1ドルをニュージーランドの小児科病院Starshipに寄付すると約束しており、寄付額は80,000ドルを超えたそうだ。 

スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | スラッシュバック | サイエンス | 宇宙

 関連ストーリー:
Rocket Lab、8月31日のミッションで自社製人工衛星も軌道投入していた 2020年09月07日
Rocket Lab、打上げ失敗から2か月以内でElectronロケットの打ち上げに成功 2020年09月02日
Electronロケット、キヤノン電子のCE-SAT-ⅠBなど超小型人工衛星7基の軌道投入失敗 2020年07月08日
Rocket Lab、小型衛星打ち上げ専用ロケット「Electron」の第1段を回収・再利用する計画 2019年08月10日
超小型衛星専用ロケット「Electron」、打ち上げ成功 2018年01月24日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事