欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、下押し圧力継続も欧州通貨売りでドル選好

2020年10月23日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、下押し圧力継続も欧州通貨売りでドル選好
23日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。米大統領選に向け民主党候補のリードは変わらず、財政赤字拡大への思惑からドルへの下押し圧力がかかりやすい。ただ、欧州通貨安が見込まれ、ドル選好地合いは継続しそうだ。

共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領による候補者討論会が日本時間23日午前に行われ、両氏は北朝鮮問題や新型コロナウイルへの対応のほか、それぞれに向けられた疑惑などをテーマに論戦を繰り広げた。現時点で劣勢が伝えられるトランプ氏は巻き返しに懸命だが、決め手は乏しくバイデン氏優勢に変わりはなさそうだ。それを受け「バイデン政権」の増税路線で財政赤字拡大への観測が広がり、本日アジア市場ではドル売りに振れた。ドル・円はユーロ・円の下落にも追随し、104円60銭台に値を下げた。

この後の海外市場では、米大統領選の行方とコロナまん延がテーマとなりそうだ。バイデン氏勝利への思惑で米10年債利回りの上昇と米株高が見込まれ、ドルは売り買い交錯で方向感は乏しいだろう。一方、欧州の主要国でコロナまん延が深刻化するなか、制限措置の強化を受け先行きの回復期待の後退によりユーロやポンドは売り優勢となりそうだ。アジア市場同様にユーロ・円がクロス円の下げを主導すれば、ドル・
円はそれに連動し弱含む展開となる見通し。半面、ユーロ・ドルやポンド・ドルの下落でドル・円は下げづらい値動きとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・10月製造業PMI速報値(予想:53.0、9月:53.7)
・17:00 ユーロ圏・10月サービス業PMI速報値(予想:47.0、9月:48.0)
・17:30 英・10月製造業PMI速報値(予想:53.1、9月:54.1)
・17:30 英・10月サービス業PMI速報値(予想:53.9、9月:56.1)
・22:45 米・10月製造業PMI速報値(予想:53.5、9月:53.2)
・22:45 米・10月サービス業PMI速報値(予想:54.6、9月:54.6)《FA》

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