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勝ち組に学ぶトレンドフォローと損切りの重要性 後編
では、先に述べた15,000円で空売りした建て玉を、なるべく損失を抑えて決済することができたタイミングはいつだったのかと振り返ってみると、その1年後に訪れた2016年の調整局面と、2020年3月に起きたコロナウィルス禍による暴落時のたった2回のみであった。2014年から2020年までの6年間もの長い期間であるにも関わらず、損失を抑えられたのはたったの2回である。
【前回は】勝ち組に学ぶトレンドフォローと損切りの重要性 前編
しかも、この幾ばくかのタイミングを逃していた場合、どちらもその後はあっという間に大きく値を戻していることから、またいつ訪れるかわからない決済のタイミングを待ちながら、負債を抱え続ける顛末となったであろう。このように、トレンド変換を予想して売買する逆張りトレードはリスクが高いのだ。
では、順張りトレードをすれば必ず勝てるのかといえば、そういうわけでもない。例えばコロナウィルス禍の暴落のように、それまでは明らかな上昇トレンドであったとしても、未曾有の暴落に巻き込まれれば、順張りトレードであっても負けることは十分にあり得る。
そこで重要となってくるのが、手元の利益と損失をコントロールすることだ。つまり、いくらになったら利益を確定し、いくらになったら損失を確定するかあらかじめ決めておき、その目標通りに決済することである。仮に10,000円で購入した株を11,000円に上がれば利益確定、9,000円に下がれば損切り確定と決めておけば、勝っても負けても1,000円となり、トレードのリスクが大幅に軽減される。
そして、利益と損失の目標値については、必ずしも同じ値幅にしておかなければならないわけではなく、順張り方向には大きく幅を取り、反対側には小さく幅を取ることも可能だ。つまり、10,000円で購入した株について、上昇トレンドであれば、13,000円に上がったところで利益確定、9,000円に下がったところで損切りとしておけば、勝った時には3,000円のプラス、負けた時には1,000円のマイナスで済むことになる。
このように、トレンドをフォローしながら、利益と損失のコントロールをすることで結果的に損小利大となり、健全なトレードで勝ちを積み重ねることができるのだ。負けた時には自分の失敗を認め、損失を確定できる冷静な判断力が、トレードで成功するための必須条件といえよう。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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