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新型コロナ用のモデル動物としてハムスターが有用 東大など
ハムスターに新型コロナウイルスを接種すると、体重減少が確認される。(画像: 日本医療研究開発機構の発表資料より)[写真拡大]
日本医療研究開発機構は23日、新型コロナウイルス感染症の感染モデル動物として、ハムスターが有用であることを発見したと発表した。
【こちらも】無症状の新型コロナ患者、全体の45%に及ぶ可能性も 米研究機関
■ヒトの症状を再現できるモデル動物が必要
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、2003年に中国の広東省を起源としたSARS(重症急性呼吸器症候群)を引き起こしたコロナウイルスと、遺伝的に近いことが判明している。だが基本的な性質についてはほとんど明らかになっておらず、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療法や予防法も確立されていない。このため、新型コロナウイルスがヒトにもたらす症状を再現できるモデル動物が必要だ。
■血清投与がウイルス増殖抑制に貢献
東京大学、米ウィスコンシン大学、国立感染症研究所、国立国際医療研究センターなどの研究者らから構成されるグループが着目したのが、ハムスターだ。
研究グループはハムスターの鼻腔に新型コロナウイルスを接種し、ヒトと同じような呼吸器症状が確認されるかどうかを調べた。その結果、新型コロナウイルスを感染させたハムスターは感染させないものよりも体重の減少が確認された。また、ウイルスが肺などの呼吸器で増殖することも判明。CT(コンピュータ断層撮影法)で肺を解析したところ、ヒトの患者と同様の病変を観察できたという。
回復したハムスターが再感染に対する抵抗性をもつかも調べたところ、呼吸器からウイルスは全く検出されなかった。これはワクチンの接種により、ウイルスの増殖や発症が抑えられる可能性が高いことを示唆するという。研究グループは、回復したハムスターの血清投与で呼吸器のウイルスの増殖が抑制されることも確認している。
本研究成果により今後、新型コロナウイルス感染症の病態解明と治療法や予防法の開発が進展することが期待されるとしている。
研究の詳細は、米国科学アカデミー紀要に22日付で掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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