値幅妙味のある新興市場の中小型株などにシフト/東京株オープニングコメント

2020年6月18日 08:42

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記事提供元:フィスコ


*08:42JST 値幅妙味のある新興市場の中小型株などにシフト
 18日の日本株市場は、方向感の掴みづらい展開になりそうである。17日の米国市場ではNYダウが170ドル安となったが、ナスダックは小幅に上昇しており、まちまちの展開。買い先行で始まったが、中国・北京の感染拡大やテキサス州のウイルス患者入院数の急増が伝えられると、感染第2波への懸念が上値を抑え、前日終値を挟んでもみ合う展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円安の22460円。円相場は1ドル106円90銭台とやや円高に振れて推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、利食い先行の展開となろう。日経225先物はナイトセッションで一時22720円まで上昇する場面もみられていたが、米国市場の流れを受けて、ほぼ安値圏で取引を終えている。東証1部の出来高が膨れない状況では薄商いの中を先物主導によるインデックス売買に大きく振らされやすいこともあり、グローベックスの米株先物の動向やメディア報道等を受けた短期筋の商いには注視しておきたい。

 また、感染第2波への警戒が高まっているほか、北朝鮮の地政学リスクへの警戒も手掛けづらくさせそうである。一方でニューヨーク市の経済再開による第2段階を22日から開始すると伝わっており、下へは売り込みづらいところだろう。こう着感が強まる中で、物色の流れは個別に材料が出ている銘柄のほか、バイオや防衛といったテーマ株に資金がシフトしやすい。

 その他、日経平均はこう着ながらも日銀のETF買い入れへの思惑等もあって、底堅さが意識されやすい。センチメントは悪化せず、個人主体の資金などは値幅妙味のある新興市場の中小型株などにシフトしやすいだろう。また、個別では任天堂<7974>が新作ゲームを発表した。ファーストリテ<9983>は明日からエアリズムのマスクが発売される予定である。これらを手掛かりにTOPIXを下支えする格好となれば、相場全体の底堅さから押し目拾いの動きに広がりがみられてくる可能性も期待されよう。《AK》

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