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コロナショックの概況とこれからの株式投資 前編
新型コロナウイルスの第2波が懸念されている首都圏であるが、人命を守ることと経済を動かすことの板挟みについては、世界各国のジレンマとなり続けている。そんな中、6月5日に発表されたアメリカ雇用統計における5月の失業率は13.3%となり、失業率20%程度を見込んでいた市場にとってポジティブサプライズとなった。戦後最悪だった4月の14.7%から一転して改善基調となったのである。
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これは、アメリカ政府が約72兆円という巨額の枠組みで、中小企業の従業員給与を肩代わりするという異例の資金供給を行っている賜物ともいえよう。この枠組みが正しく機能するのであれば、直ちに従業員を解雇する理由は無くなる。しかも、一時解雇からの再雇用についても適用が許されるため、少なくともアメリカの中小企業は、疲弊しきって立ち直れなくなる状態を回避できたのかもしれない。
一方で、日本もスロースタートながら、中小企業への支援を始めている。中小企業への家賃補助や、休業手当の支払いを支援する雇用調整金の増額分などがそれだ。だがこれらの支援は、手続きが煩雑であるため、どの程度普及するか不明である上に、いわゆる「真水(まみず)」と言われる日本政府の直接的な支出は少ないのが現状だ。
国民への10万円直接給付も出し惜しのイメージがつき、アメリカやドイツのように大盤振る舞いといかない理由は、日本が実は財政難であるという側面も、もちろんある。
そんな状況の日本国内では、大手アパレルメーカーのレナウンを始めとした「コロナ倒産」が続いており、歯止めがきかない状態だ。コロナに便乗した倒産もあるだろうが、コロナ倒産は6月1日の時点で全国200件を突破したとされ、緊急事態宣言の解除後であっても、苦境に立たされ続けている業種は多く存在する。一方で、コロナ特需といわれるほどの恩恵を受けて成長する業種も無いわけではない。
今後の株式市場への再投資を考える際には、コロナウイルスで苦境に立たされている業種、影響をほとんど受けていない業種、そして、コロナ特需で成長が見込まれる業種をしっかり整理しておくべきであろう。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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