スバル、今後10年間の技術指針を発表 電動化や死亡事故ゼロ (1/2)

2020年2月4日 08:22

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 トヨタ自動車グループと言えるスバルが、その独自性をアピールした今後10年間の技術開発の方向性を示した。

■大きくは、以下の3点だ。
1.「2030年には(スバル車が関係する)死亡事故ゼロを目指す」

2.「2030年までに全世界販売台数の40%以上を電気自動車(BEV)とハイブリッド車にする」

3.「2030年代前半には生産・販売するすべてのスバル車に電動技術を搭載する」

●1.「2030年には(スバル車が関係する)死亡事故ゼロを目指す」
 これは、運転支援システム「アイサイト」で業界をリードしてきたスバルとしては譲れないところであろう。全車フルタイムAWDシステムとアイサイトの搭載により、他の自動車会社に対してコスト高となっているはずだ。それでも9~10%の利益率を確保してきたのは、北米における販売方法がユニークであり、実務に即していることが理由であろう。

 しかし、その利益をEV・HVなど電動車やアイサイトを発展させた自動運転技術の開発に注ぐことができず、後れを取ってしまったのは残念だ。現在の自動車業界が置かれた開発費の負担を考えると、トヨタグループ入りして分担する方向性が企業経営としては正解と言えるが、その中でスバルとしての独自性を出していくのは容易ではあるまい。

 これから10年ほどで、自動車産業は「サービス業」に変換されねばならないとか、BEVの拡大によってエンジンミッションなどの主たるメカニズムが不要になることから、企業としては縮小せざるを得ないと言われている。

 現在のスバルの技術的特徴だけでは、若い社員の将来は保証することはできず、トヨタが考える事業展開に追従せざるを得ないのが現実だ。それでも2050年をめどに業態変換を成し遂げればよいと考え、現在は着実にステップを踏む必要がある。

●2.「2030年までに全世界販売台数の40%以上を電気自動車(BEV)とハイブリッド車にする」
 この方針を成し遂げるのには、トヨタのハイブリッド技術提供を受ける前提としなければならない。すでに、北米ではクロストレック(日本名XV)にトヨタTHSを改良し搭載している。

 これを順次各車に搭載し、日本市場にも投入する。スバル独自のマイルドハイブリッド「e-BOXER」は、XV、フォレスターなどに装備して日本市場でも発売している。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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