雪の季節 スタッドレス・タイヤチェーンの準備は 梯子型・亀甲型・非金属

2020年1月30日 12:26

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 冬、12月になると必ずスタッドレスタイヤに履き替えていたのが懐かしく感じる。今では「雪が降るのなら車には乗らない」と決めている。

【こちらも】スタッドレスと夏タイヤ、違いは雪道性能だけではない 季節に合わせた選択を

 都会のクルマのオーナーは、雪国のオーナーに比べて気苦労が多いとも感じた。新潟などの雪に慣れた人なら、アイスバーンを100km/h以上で走るくらい何とも思ってないだろう。しかし、「いくらスパイクタイヤでも危険であろう」と感じたものだ。

 その当時、冬用タイヤといえば「スパイクタイヤ」が当然だった。それは最も滑らないからだ。しかし、スパイク(金属鋲)なので雪国の舗装道路を激しく痛めてしまい、夏になると舗装路が乾いている時には「粉塵」となって「公害」とも言える状態となった。そこでスタッドレスタイヤが開発されて、スパイクタイヤは禁止されたのだ。

 それから研究が進み、アイスバーンでもほとんどスタッドレスで乗り切ることが出来るまでになった。しかし、それでも金属チェーンが必要な時もある。

 それに、東京の市街地など太平洋側市街地ではスタッドレスタイヤを用意するまでもなく、チェーン装着だけで済ませることが合理的でもある。しかし、雪の少ない市街地でチェーンを使うのには、それなりの知識が必要だ。

 そんな中、JAFでは急斜面でのチェーンの性能をテストした結果を公開している。15%、20%の急坂でのことだ。一般的条件ではほとんど無意味なテストだが、これによってチェーンの性能が見えてくることも確かだ。

 JAFのテストでは「亀の甲型の金属チェーン」が最も性能が高いと分かったが、それは以前から言われていたことである。内容を考えてみよう。

 半世紀ほど前、タイヤチェーンと言えば「梯子型金属チェーン」しかなかった。その金属チェーンの駆動力については、深雪・アイスバーン・半積雪などあらゆる条件で抜群であった。しかし欠点は、「横滑り」することである。その横滑りの欠点を補ったのが「亀の甲型金属チェーン」で、今回のJAFのテストでも最も高い性能を示している。

 金属チェーンの欠点は、十分な積雪がない「半積雪舗装路」では、舗装との摩擦で切れやすいことだ。また、装着が難しいこともデメリットである。慣れてしまうと意外に簡単なのだが、東京では使うチャンスも少なく、着脱できない運転手が増えてしまった。

そこでウレタンなどの「比非金属チェーン」が登場したのだが、確かに着脱は多少なりとも楽になり、ジャッキアップはもちろんクルマを動かす必要のないものが大多数だ。しかしやはり弱いことと、慣れていないと着脱は意外に面倒だ。

 それでも「比非金属チェーン」はやはり着脱がやりやすく、スタッドレスタイヤを使うほどでもない太平洋側都市部では妥当な選択でもある。どれくらいの積雪が見込まれる地方であるのかを良く確かめて、多種類のタイヤチェーンの中から自分に合ったものを選ぶことが大切だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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