次期GT-Rの技術か? 日産インフィニティ・ブラックS 年内に市販化か決定

2019年8月30日 21:57

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インフィニティ・プロジェクト・ブラックSプロトタイプ(画像:日産自動車の発表資料より)

インフィニティ・プロジェクト・ブラックSプロトタイプ(画像:日産自動車の発表資料より)[写真拡大]

 日産の高級車ブランドであるインフィニティから、「ブラックS」が販売されるかもしれない。2016年の発表以来、いろいろなうわさが飛び交っていた『プロジェクト・ブラックSプロトタイプ』(Infiniti Project Black S Prototype)が、市販化されるか否かの判断が年内にされるようだ。「ブラックS」は「スカイラインクーペ」ともうわさされてきたが、電動化されたパワーユニットがポイントで、次期日産・GT-Rの技術と見られてきた。

【こちらも】GT-Rよ何処へ行く?「インフィニティQ60」ベースの「プロジェクト・ブラックS」

 「インフィニティ」はご存知の通り、日産の海外向け高級車ブランドで、トヨタ「レクサス」やホンダ「アキュラ」と共に高級車ブランドとして北米でデビューしている。しかし、日本で展開したのはトヨタの「レクサス」だけで、そのレクサスも「大人気」とは言えない。

バブル景気盛んなころ高級車ブームに火が付き、国産車もベンツ、BMWなどのプレミアムブランドを目指して投入してきたのだった。しかし、バブル景気が崩壊して日本国内での展開が難しくなっていたが、トヨタはさすがに国内展開も進めてきたのだ。

 国内のメーカーは、経済のグローバル化によって世界的規模に展開する自動車メーカーとなってはいる。しかし、経営者も日産、ホンダはグローバル化が進んだため、700万台の市場であった日本国内も500万台まで縮小すると、日本国内市場の動向に反応しなくなってきている。国内では軽四輪自動車の販売が好調ではあるが、国内メーカー各社の主戦場は北米に移り、今や中国市場を重視するありさまだ。

 そんな日産自動車の新車開発計画においても、「スカイライン」はブランドとして見捨てられたかのようにGT-Rと切り離され、ほとんど消滅しかかっている。次期スカイラインとうわさされた『プロジェクト・ブラックSプロトタイプ』も、グローバルに見れば「スカイライン」ブランドに執着の必要性はないと見られているのであろう。「GT-R」が「スカイライン2000GT」から生まれたと知っている若者も少なくなっている。

 インフィニティ・ブラックSの新技術として注目されるのは、ハイブリッドで電動化されることだ。インフィニティブランドは今後すべて電動化されるようで、その基本が「ブラックS」に組み込まれていると言う。特に注目されるのは「エネルギー回生システム」で、これまでのように運動エネルギーを回生ブレーキで発電するだけでなく、加速時にターボチャージャーに熱エネルギーを回生するシステムを装備したことだ。

 直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンには、それぞれモーター発電機ユニット(MGU)を装備しており、ブレーキ時の運動エネルギーを回収するMGUも装備する。合計3個のMGUにより、減速時と加速時の両場面で発電。発電された電気は、蓄電容量4.4kWhリチウムイオンバッテリーに充電される。加速時などモーターアシストの電気として使用されて循環する。

 プロジェクト・ブラックSプロトタイプのパワーユニットは、エンジンの405psを4割上回るシステム最大出力571psを発揮する。電動アシストを受けたパワーは、0~100km/h加速4秒以下を記録する。スーパーカーと言ってよい加速性能だ。次期「日産・GT-R」のパワーユニットとして期待されている。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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