6月のアルバイト時給、「an」「バイトル」共に上昇

2019年7月12日 11:45

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 求人サイトなどを運営するパーソルキャリアとディップが6月のアルバイト時給を発表し、人手不足の補充や今後の需要増を見越して時給の上昇傾向が強くなっていることが分かった。

【前月は】5月のアルバイト平均時給、「バイトル」は1076円 「an」は1028円

■パーソルキャリア調査では2カ月ぶりのプラス

 11日、求人サイト「an」などを運営するパーソルキャリアが「平均時給レポート」を発表した。6月の全国平均時給は1,036円で前月比は8円増となり4カ月ぶりのプラスに、前年同月比は15円増となり2カ月ぶりにプラスとなった。

 前年同月比で大きく時給が上昇した職種では、専門職系の薬剤師が2,123円(前年同月比:313円増、以下同じ)、塾講師が1,863円(643円増)、サポートが1,311円(298円増)、プログラマーが1,483円(327円増)など。反対に大きく下落した職種では、販売系の携帯ショップ・家電販売が1,165円(107円減)、サービス系のキャンペーン・PRが1,064円(121円減)、ネイル・アイデザイナーが1,029円(102円減)などがある。

■関東地区のみ前月比がマイナスに

 地域別の平均時給をみると、北海道エリアは930円で前月比3円増、前年同月比22円増、関東エリアは1,084円で前月比1円減、前年同月比13円増、東海エリアは1,023円で前月比23円増、前年同月比3円増、関西エリアは1,034円で前月比12円増、前年同月比28円増、九州エリアは942円で前月比22円増、前年同月比23円増となり、関東エリアの前月比のみがわずかにマイナスだった。

 令和初めてかつ消費税増税前最後のボーナス商戦となることから、仕分け・梱包スタッフや配送スタッフの求人数が増え時給が上がったという。7月以降は参議院議員選挙向けの事務所スタッフや調査スタッフといった短期バイトの需要が増えるだけでなく、10月の最低賃金改定に向けてさらに時給が上がると見込んでいる。

■デップ調査では前年同月比が34カ月連続プラス

 同日、求人サイト「バイトル」などを運営するディップも6月の「バイトルレポート」を発表した。6月の全国平均時給は1,082円で前月比6円増となり2カ月ぶりのプラスに、前年同月比は43円増となり34カ月連続でプラスとなっている。

 前年同月比で大きく時給が上昇した職種では、事務的職業の事務・データ入力が1,143円(前年同月比:133円増、以下同じ)、専門事務が1,330円(267円増)、専門的職業のSE・PG・エンジニア・運用が1,490円(378円増)、看護・介護が1,451円(275円増)、調査・モニターその他が1,389円(292円増)、建築の職業の建築・土木その他が1,247円(142円増)など。反対に大きく下落した職種では、事務的職業のオフィスその他が1108円(525円減)、サービスの職業のパチスロが1,380円(131円減)、美容・理容・サロンその他が1,029円(127円減)などがある。

■全地域で前月比と前年同月比がプラスに

 地域別の平均時給をみると、関東エリアは1,136円で前月比6円増、前年同月比46円増、東海エリアは1,052円で前月比13円増、前年同月比42円増、関西エリアは1,085円で前月比1円増、前年同月比39円増、九州エリアは956円で前月比12円増、前年同月比21円増と、全ての地域で前月比、前年同月比ともにプラスとなっている。

 介護・看護では経験者募集の強化と夜勤募集により時給が上昇傾向に。また夏の行楽シーズンを迎えて、警備・車両誘導では募集強化や募集開始時期の前倒しをしているという。さらに今後は、大型ホテルの新規オープンが飲食店などの新規出店が続くことから、それに関連したサービススタッフや清掃などの職種について求人数が増えると見込んでいる。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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