欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米FRBの大幅利下げ観測後退で

2019年6月26日 17:25

印刷

記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米FRBの大幅利下げ観測後退で
26日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げ観測は一服する見通し。米長期金利が大きく低下しなければ、ドルの買い戻しが入りやすい。ただ、地政学リスクを意識した円買いが重しとなりそうだ。

前日のNY取引時間帯にパウエルFRB議長が講演で、「短期的に過剰に行動しないことが重要」と慎重な姿勢を示し、過度な利下げ期待をけん制。また、ブラード米セントルイス連銀総裁も「50bpの利下げを必要としない」と大幅利下げを否定し、主要通貨に対するドルの買い戻しが強まった。本日のアジア時間帯ではNZ準備銀が政策金利を据え置きとし、利下げが必要になる可能性にも言及したが、NZドルは買い戻しが優先され、ドルや円に対して強含んだ。ドル・円はNZドル・円などクロス円の上昇を手がかりに107円半ばまで浮揚した。

今晩の海外市場では、引き続きFRBの金融政策が主要テーマ。25日に発表された米国の消費者信頼感指数は121.5と前月から大幅に低下した。今晩発表となる5月耐久財受注(速報値)は、マイナス圏予想ながらも前月から改善が見込まれる。ただ、21日の6月製造業PMIが景気判断の境目となる50をわずかに上回る水準に鈍化するなど、製造業の景況感の悪化が示されている。今晩の耐久財が低調な内容となれば、7月30-31日の連邦公開市場委員会(FOMC)での25bpの政策金利引き下げを織り込む動きとなろう。一方、中東情勢の地政学リスクを意識した円買いも根強く、ドル・円の上昇は小幅にとどまるとみる。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・5月銀行協会住宅ローン承認件数(予想:41000件、4月:42989件)
・18:15 カーニー英中銀総裁ら議会証言
・21:30 米・5月耐久財受注速報値(前月比予想:-0.2%、4月:-2.1%)
・21:30 米・5月卸売在庫速報値(前月比予想:+0.5%、4月:+0.8%)
・24:30 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁講演(NYフォーキャスターズクラブ)
・02:00 米財務省5年債入札(410億ドル)《FA》

関連記事