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日本高純度化学、19年3月期は半導体需要低迷で業績目標に達せず
日本高純度化学【4973】は23日、2019年3月期決算を発表、売上高は前期比2.7%減の103億8,000万円、営業利益は同6.1%減の10億1,300万円、純利益は同1.8%増の8億4,400万円となった。スマートフォン市場、特に中国市場におけるハイエンド製品に対する需要鈍化が影響し減収となった。配当金は1株当たり80円を維持する。
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20年3月期の業績予想は、売上高が前期比1.1%増の105億円、営業利益が同1.3%減の10億円、純利益が同7.6%減の7億8,000万円としている。
同社は東京都練馬区に本社がある貴金属を中心としためっき薬品のメーカー。1971年創業で、1999年に従業員によるMBOを実施後、2002年にJASDAQへ株式を上場、2005年から東証一部上場となっている。同社は利益率が高いとされる金、パラジウムのめっき薬品を中心とした事業展開をしており、また製造を他社に振り、研究開発に特化することで質の高い製品を送り出している。
業績は技術的優位性があるため堅調に推移していたが、半導体需要の低迷でパラジウムめっき薬品を中心に減収となった。四半期ごとの業績では第4四半期に入り大きく下落。営業利益では第3四半期の3億400万円対して第4四半期は1億5,800万円に、純利益では2億6,200万円から1億2,500万円に落ち込んだ。今期の見通しに関しては、主に改良製品の投入による利益率向上と東南アジア市場の拡大が寄与するとしているが、売上高は微増で、利益は軒並み減収を予想している。
同社が得意とする貴金属めっきは、耐久性と通電性の高さから確実な需要があるとされているが、一方で機器メーカー各社は貴金属めっきの使用料を極限まで減らすことでコスト削減を目指している。同社もその動向を把握しており、卑金属めっき薬品市場への進出を試みているが、近年の業績では大幅な増収増益は見られない。現時点では貴金属めっき薬品の高い利益率に支えられているが、長期的には他の収入源を確立されることが求められる。(記事:福井廉太・記事一覧を見る)
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