ANA、国際線旅客・LCC・貨物事業の強化で営業利益2千億円へ挑む

2019年3月2日 13:06

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 ANAホールディングスは、国際線の新機内サービスを3月1日より開始した。ビジネスクラスの機内食で有名レストラン、シェフとのコラボレーションメニューを前予約した全員に提供するサービスを実施し、エコノミークラスでも予約制で有料機内食メニューを新設するなど、国際線の充実を図る。

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 ANAは、第二次世界大戦により壊滅した日本の定期航空事業を再構することを目的に、1952年日本ヘリコプター輸送と極東航空が設立されたことに始まる。1957年に日本ヘリコプターが全日本空輸へ社名変更し、1958年極東航空を合併したことにより、現在の母体となる全日本空輸となった。

 2013年に持株会社制へ移行し、全日本空輸を子会社とするANAホールディングスが設立された。

 航空事業を中心に、航空運送、商社・商業、人材・ビジネスサポート、調査研究・シンクタンク、IT、不動産・保険ビルメンテナンス、コンタクトセンター、フライトケータリング、貨物・物流、航空機操縦士養成、車両整備、航空機整備事業、セールス&マーケティング、空港地上支援などの関連事業を展開するANAの動きを見ていこう。

■前期(2018年3月期)実績と今期見通し
 前期売上高は1兆9,717億円(前年比12%増)、営業利益は前年よりも189億円増の1,645億円(同13%増)であった。

 営業利益増加の主な要因としては、国際旅客事業の好調により航空事業が173億円、航空関連事業が23億円の増益に対し、その他などで9億円の減益によるものである。

 今期第3四半期(4-12月)売上高1兆5,684億円(同5%増)、営業利益1,566億円(同6%減)の実績の中、今期見通しは売上高2兆400億円(同3%増)、営業利益1,650億円(同0%増)を見込んでいる。

■中期計画(2019年3月期~2021年3月期)で営業利益2,000億円へ挑む
 東京オリンピックの開催による航空需要の拡大と首都圏空港の発着枠拡大を生かして、2021年3月期売上高2兆3,100億円(対前期比17%増)、営業利益2,000億円(同22%増)を目指して下記の戦略を推進する。

 1.ANA国際線旅客事業を成長の柱として路線ネットワークを拡大
 ・首都圏空港を拠点に事業拡大: 2020年首都圏発着枠拡大に向けて人材の確保と育成、オペレーション基盤の充実。
 ・空白地域への進出と提携戦略の推進: 未就航エリアへの路線拡大と海外エアラインとの提携強化。
 ・新機材導入によるサービス向上: 最新鋭機材導入による快適性向上。

 2.ANA国内線旅客事業の収益基盤を維持、向上。
 ・サービス価値の向上: 座席へのシートモニター、USB充電ポート、PC用電源の装着と機内Wi-Fiインターネットサービスの拡充を順次推進。

 3.LCC事業の強化
 ・短距離事業領域の拡大: バニラエアーとPeach両社でマーケティング、インフラ、人材交流など統合を視野に連携強化を図り、ローカル線の需要開拓。
 ・中距離路線へ進出: 航続距離の長い小型機を活用して、アジアのANAグループ空白領域へ就航都市を開拓し、観光事業に貢献。

 4.貨物事業の成長加速
 ・首都圏ハブ(成田、羽田)と沖縄ハブで、アジアと北米間の需要獲得: 大型貨物機導を導入し、航空機エンジン、自動車、医薬品などをアジア、北米間で大量輸送。

 安心と信頼を基礎に世界のリーディングエアライングループを目指すANAの動きから目が離せない。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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