AI特許審査シミュレーションの『IP Samurai』、無料版利用者が500人突破

2019年1月2日 11:26

印刷

「IP Samurai」の画面イメージ。(画像:AI Samurai社発表資料より)

「IP Samurai」の画面イメージ。(画像:AI Samurai社発表資料より)[写真拡大]

 特許庁が2018年5月より開放している『知財インテリジェンスサービス』において、世界初の特許審査シミュレーションシステム『IP Samurai』の無料版利用者が500人を突破した。『IP Samurai』はAI Samurai社が提供する人工知能を用いた特許審査シミュレーションシステムだ。無料版の利用者が500人を突破したことで、特許関連業務の時間とコスト削減に対する同システムへの期待が表れた結果となっている。

【こちらも】ゴールドアイピーの特許審査シュミレーションシステムが日本特許に対応

 『知財インテリジェンスサービス』は、特許庁が公開している知財関連の無料情報サービス・特許情報解析ソフトだ。より手軽に特許情報分析サービスを利用し、知的情報の活用を促進するために、特許出願技術動向調査を実施し、その調査結果を公開している。様々な技術情報が蓄積されている知財情報の分析は、企業等の研究開発戦略や事業戦略において有効であり、知財情報分析のニーズが高まっていた。現在は『IP Samurai』を含む7つのサービスを利用できる。

 『IP Samurai』はAI Samuraiが開発した世界初の特許審査シミュレーションシステムだ。このシステムは発明内容を入力するだけで、特許分類許可、先行技術調査、無効資料調査、クリアランス調査をAIが自動的に行う。これにより、研究者や知財部門が数週間の期間を要していた調査の時間をわずか数分で行うことができる。なお、無料版では、2005~2009年および2016年の米国特許商標庁の公開情報を対象としており、全ての米国特許商標庁のデータを母集団とはしていない。また、特許性に対する評価はワンランク低いものとなっており、引例の根拠や引例の番号は無料版では掲載されていない。

 特許庁の『知財インテリジェンスサービス』の無料利用は大きなコストをかけることなく知財調査や特許取得可能かどうかのシミュレーションを行うことが可能となる。これは知財調査のための人材を獲得するのが難しい中小企業にとっては大きなメリットであり、今後も多くの利用が期待される。(記事:まなたけ・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事