「いぶき2号」搭載HII-Aロケット発射の瞬間をパブリックビューイング JAXA

2018年10月24日 18:45

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いぶき2号のイメージ。(画像:JAXA発表資料より)

いぶき2号のイメージ。(画像:JAXA発表資料より)[写真拡大]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日、 H-IIAロケット40号機の発射の瞬間をパブリックビューイング(PV)にて放映することを発表した。放映は29日の12:30から、日本科学未来館(東京都江東区)、筑波宇宙センター(茨城県つくば市)にて行われる。またYou Tubeでも同じく発射の模様が放映される予定。

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 JAXAのロケット発射は種子島など鹿児島県内で行われており、来訪が容易ではない場合が多い。また見学者向けのカウントダウンなどはされないため、せっかく訪れてもすでに発射されてしまっていたという声も聞かれる。半径3km以内の立ち入りは禁止されているため、近くで見ることも出来ない。

 その点、今回のPVは都内で見る事ができるので便利だ。カウントダウンも予定されており、カメラも至近距離からの様子をとらえているため、臨場感も抜群。宇宙航空ファンからの人気を呼びそうだ。

 今回発射するH-IIAロケット40号機は、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」 を搭載している。 いぶき2号は、「二酸化炭素」、「メタン」、「一酸化炭素」を同時に計測できる世界初の人工衛星。二酸化炭素は自然由来のものと、人の社会活動に由来するもの(人為起源)がある。化石燃料などの燃焼時に二酸化炭素と共に一酸化炭素が発生するため、両方のガスを同時に観測することで、人為起源の二酸化炭素量を推計することを目標としている。

 いぶき2号により二酸化炭素、メタンの観測精度を高めることに加え、新たに一酸化炭素を観測対象に加えることで人為起源に伴う二酸化炭素の排出量源の推定に取り組む。地球温暖化対策に向け、温室効果ガスの排出実質ゼロの達成に貢献することなどが期待されている。

 「いぶき2号」プロジェクトは、2009年に打上げられた「いぶき」に続く、JAXA・環境省・国立環境研究所(NIES)の3者による共同プロジェクトだ。JAXAが衛星の開発と運用を、国立環境研究所がデータの解析を、環境省が行政利用を担当。いぶき2号の持つ精度の高い温室効果ガス測定能力により、各国の排出量や削減取組みを透明性の高い方法で検証する予定だ。(記事:藤原大佑 ・記事一覧を見る

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