23日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で続伸、銀行セクターに買い

2018年7月23日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 23日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で続伸、銀行セクターに買い
週明け23日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比31.64ポイント(0.11%)高の28256.12ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が48.72ポイント(0.46%)高の10731.36ポイントとそろって続伸した。売買代金は839億5800万香港ドルとなっている(20日売買代金は1003億3700万香港ドル)。

金融緩和の動きが好感される流れ。中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行保険監督管理委員会は20日、理財商品に対する規制の細則を発表した。デレバレッジの目標が以前より緩やかになるなか、株式や債券市場にとってポジティブな内容に落ち着いたとの見方が広がっている。また、金融当局は直近、緩和的な政策への移行を示唆していた。人民銀はこの日、中期貸出制度(MLF)を通じ、5020億人民元の資金を市場に供給している。人民元安の一服もプラス。人民銀は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を元高方向に設定した。上海外国為替市場では、人民元相場が強含みに推移している。もっとも、上値は限定的。米中貿易摩擦の警戒感が再び強まったことを受けて、指数は安く推移する場面もみられた。

本土系の銀行セクターが相場の上昇を主導。中信銀行(CITICバンク:998/HK)が2.3%高、中国農業銀行(1288/HK)が2.2%高、招商銀行(3968/HK)が1.9%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.3%高で引けた。

ゼネコンやセメント、建機などインフラ関連セクターも高い。中国鉄建(1186/HK)が6.7%、中国中鉄(390/HK)が6.3%、中国交通建設(1800/HK)が4.6%、安徽海螺セメント(安徽コンチセメント:914/HK)が3.5%、中国建材(3323/HK)が2.7%、中国龍工HD(3339/HK)が2.7%ずつ値を上げた。

他の個別株動向では、増益見通しを報告した銘柄群がしっかり。中国政府系金融・保険グループの中国太平保険HD(966/HK)が4.2%高、石炭生産の中国中煤能源(1898/HK)が2.9%高と上昇した。

半面、業績悪化見通しを明らかにした銘柄群はさえない。香港系不動産の太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)は3.3%下落した。同社は海洋サービス部門で減損損失を計上する方針を明らかにしている。そのほかコンテナ製造大手の勝獅貨櫃(シンガマス・コンテナ:716/HK)が5.1%安。中間期の赤字転落見通しが嫌気された。

一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.07%高の2859.54ポイントで取引を終えた。大型銀行株が高い。不動産株や空運株、ゼネコン株も上げが目立った。非鉄や鉄鋼、セメントの素材株、石油・石炭株、発電株、海運株なども値上がりしている。半面、薬品株は急落した。


【亜州IR】《FA》

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