住宅ローン金利、2017年度下期は変動型が過去最高に

2018年7月18日 20:00

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記事提供元:エコノミックニュース

2017年度下期に住宅ローンを利用した人のうち、変動金利型で借り入れを行った人は過去最高の56.5パーセントとなった。将来起こりうる利上げなどについても考慮したうえで変動金利型を選ぶかを決定しなければならない。

2017年度下期に住宅ローンを利用した人のうち、変動金利型で借り入れを行った人は過去最高の56.5パーセントとなった。将来起こりうる利上げなどについても考慮したうえで変動金利型を選ぶかを決定しなければならない。[写真拡大]

 住宅ローンの金利に変化が生じている。2017年度下期に住宅ローンを利用した人のうち、変動金利型で借り入れを行った人は過去最高の56.5パーセントとなった。マイナス金利が導入されて以来、住宅ローンは低金利が続いており、今後も長期にわたって続くという予想が変動金利の選択を後押ししている格好だ。

 そもそも変動金利型は金利タイプの中で利率が低く設定されている金利だ。マイナス金利導入後、変動金利型ではない固定金利型でも金融機関による金利競争が行われ、住宅ローンの金利は下がり続けてきた。そのまま金利競争が続けば、消費者にはずっと低金利のまま住宅ローンを利用できるというメリットが生まれる。しかし金利競争がひと段落してきたため、これ以上固定金利型での低金利は見込めなくなってきた。そこで通常固定金利型よりはさらに低金利である変動金利型の利用者が増えてきたというわけだ。ここ20年ほどは変動金利型にもほとんど変化がなく、低金利が続いていることも変動金利型の利用者が増える要因となっている。

 しかしこのまま変動金利型の低金利が続くかどうかはわからない。日本銀行が物価安定の指標として掲げる「消費者物価の前年比上昇率2パーセント」が達成された場合、ゼロ金利政策に変化が生まれる可能性がある。景気が回復するにつれて金利は高くなり、景気が低迷すれば金利は下がる。近年の中小企業の設備投資の増加や株価の上昇は景気が回復傾向にあることを示しており、今後も低金利が続くことを保証するものは何もないのが現状だ。もし将来的に日本銀行が利上げに踏み切った場合には負担が急激に増えることも考えられる。

 住宅ローンは数十年にわたって支払っていかなければならない融資だ。それゆえに借入れの段階で将来の金融情勢を考慮して金利を決定する必要があるだろう。将来起こりうる利上げなどについても考慮したうえで変動金利型を選ぶかを決定しなければならない。固定金利型にも利用期間選択型のものや全期間型のものもあるので、それぞれのメリット・デメリットを考えつつ賢い選択が必要だ。(編集担当:久保田雄城)

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