夫の家事負担率は2割弱 日本は33ヵ国中ワースト1位 他国の事情は

2018年7月18日 20:13

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記事提供元:エコノミックニュース

日本の夫婦が一週間に負担する家事時間は、妻が53.7時間、夫が12.0時間で、夫の家事負担率は18.3%。この割合は2012年の調査で33か国中のワースト1

日本の夫婦が一週間に負担する家事時間は、妻が53.7時間、夫が12.0時間で、夫の家事負担率は18.3%。この割合は2012年の調査で33か国中のワースト1[写真拡大]

 「すべての女性が輝く社会づくり」を推進する現政権下の日本だが、男女間の賃金格差・女性の政治参画の少なさなどに改善の兆しは見られない中、家庭内での家事は妻がするものという固定観念が根強い。国際社会調査プログラム(ISSP)による2012年の調査では、日本の夫婦が一週間に負担する家事時間は、妻が53.7時間、夫が12.0時間で、夫の家事負担率は18.3%。この割合は調査対象の33か国の中でもワースト1だった。

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 夫が家事をする割合が最も高いのはスウェーデンで、42.7%。スウェーデンでは20~60歳の女性の8割が就労しているが、男性も女性と同じく育児休暇をとることが当然とされており、男女共に国からの育児休暇保障や企業からの給付によって育休中も給与の80%が保障される。夫が育休をとることは男性側の家事への理解度を上げ、平等に負担し合うことへの抵抗感も少ない。一世代前の1960年代頃のスウェーデンでは女性が専業主婦であることが主流で夫は家事をしなかったが、女性の社会進出と経済的自立に伴い、家庭内の家事負担率も劇的に変化した背景を持つ。

 

 アメリカの夫婦における夫の家事負担率は37.1%で、33か国中11位となっている。子育て世帯の60%が共働き世帯で、働いている既婚女性は世帯収入の40%以上を担っているというデータも。家族と過ごす時間を重視するアメリカでは、家事や育児をハウスメーカーやナニーに外注するケースも多いが、その分支出の負担は大きい。アメリカの共働き世帯への支援は不十分だが、意識調査ではアメリカ男性の94%が家事が好きと答えており、夫が家事をすることは当然との家族観が伺える。

 

 日本における「専業主婦」は1980年時の64%から2016年時には37%まで減っており、夫婦共働き世帯が増えている。また、夫婦の家事負担率は50%:50%が理想、とする男女は全体の37%。家庭内の家事負担率が妻に偏っている現況は、日本の共働き社会が機能上未成熟であり、何らかの変革を必要としている段階と言えよう。(編集担当:久保田雄城)

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