トヨタ・モビリティ基金、AI活用し都市の交通流最適化へ 共同研究開始

2018年5月26日 19:14

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 トヨタ・モビリティ基金は24日、イギリスを拠点に活動しているアラン・チューリング研究所と共に、人工知能を活用した都市計画と交通流最適化に向けた共同研究を開始したことを発表した。

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 今回の共同研究の目的は「人工知能による都市における交通流最適化」だ。アラン・チューリング研究所における新たな人工知能研究の一環であり、複雑な交通管理システムを、これまでの静的なシステムから多様な交通手段をリアルタイムで管理出来るようにした動的なシステムへの移行を目指していく。

 共同研究にはアラン・チューリング研究所以外にも、ケンブリッジ大学やマンチェスター大学、数学・データ相互作用の研究者やソフトウェアエンジニアなど、多くの専門家から協力を得る予定だ。

 共同研究で目指す成果としては、人工知能が組み込まれた「交通信号制御システムの構築」や、交通状況の監視や予測等を可能にする「統合データ操作プラットフォーム構築」などがある。また、交通事業者と都市計画者が活用可能な様々なメカニズムを解明することで、渋滞や高濃度大気汚染地域の共有から、その問題深刻化の回避なども目指す。

 実際の都市管理に加えて、モニタリングと長期計画を組み合わせることによって、共同研究の成果は今後の都市計画だけではなく現状の都市管理にも活用が出来るという。データ主導型の交通管理手法を取り入れることで、大気汚染の改善にエネルギー消費量削減、さらには都市の収容力と耐久性を向上も期待できるとしている。

 トヨタ・モビリティ基金のプログラムディレクターであるライアン・クレム氏は、「これまで我々は自動車内部における人工知能の活用に重点をおいていたが」、共同研究を通じて、「データサイエンスと人工知能によって交通インフラを改善する機会を得た」とし、「社会への貢献と、すべての人々の移動の自由の実現に向けた重要な1歩だ」と述べている。

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