欅坂46 志田愛佳・原田葵が活動休止

2018年5月5日 20:39

印刷

 5月3日、人気アイドルグループ欅坂46の志田愛佳、原田葵の活動休止が公式HPで発表された。

【こちらも】『けやき坂』始まる!

 原田葵は学業を優先(大学受験だろうか?)の結果。そして志田愛佳は、体調不良とのことで、先日行われたアニバーサルライブにも欠席しており、心配された中での発表だった。

 原田はともかく、志田は欅坂では2人目(1人目は今泉佑唯)の体調不良によるドクターストップとなる。

 同日放送されたラジオ番組では、秋元康プロデューサーが「つねに誰かがいないのが欅坂の特徴」と、苦しいフォローをしていたが、今泉、志田以外にも、圧倒的存在感でセンターをつとめ続けている平手友梨奈がライブを欠席することが続ているなど、グループとして不安材料が常にある状態なのは心配だ。

 一つには、欅坂の特徴である素晴らしい楽曲が、その一方で非常に体力・精神力を使うもので、メンバーの負担が大きいのではないかとも言われている。紅白歌合戦で数人のメンバーが酸欠状態で倒れてしまったのを見ても、かなりの負担を伴うものであることがわかるだろう。

 しかし、体力だけの問題ではない。

 記者の実感として、とにかくファーストブレイクが早すぎて、メンバーやスタッフも、その準備にかける時間がなかったのが原因ではないかと考えている。

 欅坂46のデビュー曲『サイレントマジョリティ』は、デビューしたての新人アイドルとしては異例の売り上げを誇り、紅白歌合戦の出場までもたらした名曲である。ただ、そのために、彼女たちは「追われるもの」としてスタートを切るという環境に置かれてしまった。

 乃木坂46も、AKB48も、デビューしてすぐに売れたわけではなく、長い下積みと試行錯誤の時間を持っている。その間に、例えばメンバー同士の関係性とか、周囲の大人たちとの関係などを磨き、経験値を上げたところで人気に火が付いた。

 追うものと追われるものでは、当然、追うもののほうが精神的負担は少ない。追うものは、失うものがないから、常に攻勢を取り続けることができる。だが、追われるものは守りの姿勢を強いられてしまうので、どうしても保守的になってしまう。

 しかもそれは、自分たちが試行錯誤して身につけたものではなく、スタッフが作ったコンセプトであるから厄介だ。具体的に、欅坂でいうならば、「平手友梨奈センター」と「全員選抜」のスタイルになるだろう。

 乃木坂では5thまでは生駒里奈がセンターを続けていたが、それが変わった6thでも、売り上げがダウンすることもなく、また生駒里奈自身にダメージがあったかといえばそうではない。固定されたカリスマ的センターではなく、最初に新しい道を切り拓く斬り込み隊長としての評価が彼女の武器にもなった。

 そして乃木坂46は、センター経験者だけでも8人、その8人も、センターというポジションを守るためではなく、ジャンプアップに使い、外の仕事(モデル・女優・タレントなど)へ活かしている。

 だが、欅坂で平手をセンターから外したら、それだけでグループにかかるダメージは計り知れないだろう。また、全員選抜も同様で、この形が崩せないので、2期、3期を「ひらがなけやき」という別グループにするという荒業を使わざるを得なかった(幸いこれは成功している)。

 欅坂のファンもまた未成熟な傾向にあるのは、以前から指摘されていることであり、デビュー曲の結果に舞い上がったファンが既存のグループすべてを敵に回すような言動を繰り返し、顰蹙を多く買っているのも、メンバーにとっては負担になっている。

 「追う立場」を経験したことがないまま「追われる立場」になり、メンバーもスタッフもファンも、その追われる立場で試行錯誤を強いられる状況は、これまでどのアイドルも経験したことのない修羅場となるだろう。

 この状況を、どう乗り切っていくかということが、これからの欅坂46の見どころになると思うと、ますます目が離せなくなってきた。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事