カフェデュモンド、日本撤退 ダスキンが契約を解消

2018年3月9日 16:43

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 ダスキンは、アメリカのフェルナンデス社(H.N. Fernandez, Inc.)との契約を解消し、カフェデュモンド事業に係る「独占的ライセンス及び供給契約」を3月31日限りで解消、同事業から撤退することを発表した。

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 カフェデュモンドは、1862年にルイジアナ州ニューオーリンズで創業したカフェ・チェーンである。ベニエと呼ばれる角型のドーナツが名物で、ニューオーリンズでは観光客が集まるような有名店として知られる。ちなみに、創業当時に一般的であったオープン・テラス形式の店舗構造を基本としている。もっとも、そんなに大規模にチェーン展開をしているわけではなく、アメリカ本国でも十数店舗が存在するのみである。

 日本では1989年にダスキンが契約を締結し、1990年に日本1号店がオープン。大規模なフランチャイズ展開を行った。しかしその後店舗数は漸減を続け、特に最近は閉店ラッシュが続いていた状況で、そして現在、公式ホームページ上で確認することのできる経営中の店舗は茨城県に1店を数えるのみとなっている。

 契約解消の理由として、ダスキンは「外食に対するニーズの変化」をあげている。近年は売上高も減少傾向にあったとのことで、今後のカフェデュモンド事業の成長は厳しいと判断したという。

 ネット上での反応などを見ると撤退を惜しむ声は少なくはなく、根強いファンは存在したようではあるが、現状、日本の喫茶店チェーンはスターバックスを代表とするシアトル・スタイルが圧倒的牙城を築き上げ、それにコメダ珈琲店(店舗数国内第2位、1位はスターバックスである)が日本独自のスタイルの喫茶店で追随してるという現状があり、テラス形式のクラシックアメリカンスタイルは日本の喫茶店業界の時代趨勢に合わなくなってしまったということでもあろうか。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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