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隕石に記録された情報は想像以上に失われやすい 東京工業大学の研究
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東京工業大学の研究で、隕石に記録されているはずの放射壊変年代(アルゴン年代)は、低速度で地球に衝突した場合でも情報がリセットされ失われてしまう、という事実が明らかになった。
【こちらも】古書の中から発見された隕石小片の正体を分析、極地研などの研究
隕石。惑星間に存在する固形の物質が地表に降り注いだもの、の双方である。石と言われているが金属のものも多々混じっている。粉々になってしまう例もあれば巨大なまま落ちてくる例もあり、多種多様だ。ただ一つ確かなことは、宇宙の向こうからやってくる、人類の科学的研究にとっては貴重な存在である、ということである。
宇宙空間にこちらから出ていってサンプルを持ち帰るのは(過去に行われた例がないわけではないが)非常に難しい。地表に落下した隕石を捜索して回収するのもそれはそれで大変なことではあるが、それをやるだけの価値はある。
さて、隕石は宇宙に関するさまざまな情報を秘めている。そのうちの一つに、放射壊変年代(アルゴン年代)がある。これは初期太陽系で起きた出来事について解析するための重要な手がかりである。
過去の科学的知見においては、この情報は比較的安定的なものであり、小惑星帯でよく起こる5km/s程度の衝突では破壊されることはない、と考えられていた。
だが今回の研究によって、2km/sつまり低速度の衝突によっても十分な熱エネルギーが隕石に与えられ、放射壊変年代が失われてしまう場合があることが分かったという。
この発見から導き出される一つの可能性として、初期の太陽系の衝突環境は、従来推定されていたよりも穏やかなものだったのではないかと考えられるとのことである。
なお、この研究の詳細は、1月25日付の米国科学雑誌「Geophysical Research Letters」の電子版に掲載された。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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