トヨタ2000GTが復活? ボンドカーの姿はそのままに ヤマハエンジンは?

2018年1月19日 16:27

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 12日から14日まで開催された東京オートサロン2018で展示された車。「トヨタ2000GT」のレストアと勘違いするなかれ。Rocky Auto(ロッキーオート)が作った新車だ。実写から図面を起こし、モックアップを作ってFRPでボディを作ったという。シャーシは鋼鉄製のようだ。オリジナルはボディも鋼板を「叩き出した」と聞いている。

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 通常の量産車では、金型を作り、4000tプレスで成型する。しかし、試作車や少数生産車では金型を起こしているとコストがかさむので、通常は職人による叩き出し板金で作る。最近は3Dプリンターを使うことが研究されているようだが、これは早く実現すると試作が進むことになるだろう。現代はシミュレーターによる設計が通常とされている。

 FRPのボディはあまり見かけない。それもそのはずで事故を起こすと割れてしまうからだ。私の記憶ではGMシボレー・コルベットがFRPの車体を採用していたはずだ。現代はカーボンファイバーのようだ。昔、FRPの車を買おうと思ったら、営業マンに「ホウキと塵取りを持って乗ってください」と言われた。「衝突するとばらばらに散らばるので、集めておいてくれれば直せる」と言っていた。今では繊維とエポキシー系接着剤で少々のことは直せるはずだ。

 「トヨタ2000GT」のオリジナルのエンジンは、クラウンのM型エンジンをヤマハ発動機がチューニングして100馬力前後を150馬力にして積んでいた。ニッサン・スカイラインGT-Rが160馬力の時代だから、量産セダンのエンジンチューニングとしては頑張っていた。最近は「ヤマハ発動機に丸投げして開発した」などと言われているが、本当はトヨタのオリジナルで、ヤマハはエンジンだけをチューニングしたといってもよいくらいだ。ネットでは、間違った情報も氾濫している。

 今回のRocky Autoの「トヨタ2000GT」は、実際には3000GTにしてあるようで、エンジンはトヨタ2JZを使っているという。6気筒にはこだわり、性能は現代にふさわしく、高速安定性を考えて全幅を広げているという。内装はオリジナルとは少々違っているようだが、その雰囲気は伝わってくる。現代の高速道路を走り抜けるトヨタ・2000GTの姿を見てみたいものだ。

 ジェームス・ボンド役もショ-ン・コネリーから代替わりして、1967年公開の、『007は二度死ぬ』のボンドガールとしてトヨタ2000GTと共演した女優の浜美枝さんも見かけなくなった。少しばかりワイドローになったRocky Autoの「トヨタ3000GT」はどのように見えるのであろうか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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