箱根駅伝、終始スキのなかった東洋大学が往路優勝

2018年1月3日 05:24

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■1区から4区まで完璧のレース展開

 2日、第94回東京箱根間往復大学駅伝競走の往路が行われた。4連覇がかかる青山学院大学、出雲駅伝を制した東海大学、全日本大学駅伝を制した神奈川大学が3強と言われ注目を集めた。しかしこの日のレースで終始注目を浴び続けたのは東洋大学だった。

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 下馬評が低い東洋大学だったが、全日本駅伝の序盤でレースを引っ張ることが出来た実力は折り紙付き。1区の西山和弥が2位に14秒差をつけ1年生ながら区間賞を獲得すると、2区の相沢晃は区間1位の森田歩希(青山学院大学)、ドミニク・ニャイロ(山梨学院大学)と3秒差の区間3位でタスキリレー。3区はエース山本修二が青山学院大学のWエースの一角である田村和希を24秒突き放す力走で区間賞を獲得。4区は吉川洋次が、区間賞を獲得した大塚倭(神奈川大学)に1秒差で敗れるという、ほぼ区間賞と言ってもいいほどの好記録を叩き出し5区山登りに突入。5区では田中龍誠が2位青山学院大学に差を詰められるも区間9位と最低限の走りをし、往路優勝を果たした。

■他校の誤算

 東洋大学が完璧なレースを行った一方、東海大学、神奈川大学は苦しいレース展開となった。まず東海大学は1区にエントリーしていた関颯人が当日メンバー変更。エース不在が最後まで響き、最終的に往路9位と振るわなかった。

 全日本を制したことにより一気に優勝候補に挙げられることになった神奈川大学は1区、2区で先頭に立ち先手必勝を狙った。しかし1区山藤篤司は先頭の東洋大学・西山に28秒差付けられると、2区のエース・鈴木健吾はその差を縮めるどころか8秒開かれ、いい流れを作ることが出来なかった。

 4区大塚が区間賞を獲得するも5区荻野太成が区間20位と大ブレーキ。前評判通りの力を発揮することが出来ず、往路15位で終わった。

■酒井監督の狙い通り

 往路だけを見れば、東洋大学酒井監督の狙い通りの展開になった。1区西山で先頭に立ち、2区相澤でリードを守り切る。5区に回ることも予想された山本だが、3区で起用しリードを広げることを優先した。この強気の采配があたり、4区では全日本でアンカーを任されるほどの実力を持つ吉川が予想通りの力を見せつけた。

 まさにミスのないレース運びを展開し1区からずっとトップを譲らなかった。下馬評はよくなかったが、大学で行われた壮行会や東洋大学のOBに配られる会報では自信のほどをのぞかせており、「ロードに強い東洋」を見せつけることが出来た圧巻のレース展開で、4年ぶりの箱根駅伝往路優勝を果たした。

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