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フジテレビ月9『民衆の敵』がワースト視聴率
12月25日に放映された、フジテレビのドラマ『民衆の敵』最終回の視聴率が、関東地区で4.8%(ビデオリサーチ調べ)となり、月9史上最低視聴率を記録した。
ここ数年、凋落が取りざたされていた、フジの月9ドラマだが、この『民衆の敵』は、これまでのトレンディドラマ、あるいは恋愛ドラマから一転、普通の主婦(篠原涼子)が、議員になって奮闘するという社会派(というにはあまりにもお粗末だが)のドラマで、前作コードブルーの流れを活かし、新生月9としての期待を持たれていた。
キャストも、実績・実力ともに申し分のない篠原涼子、古田新太らベテランに、今が旬の高橋一生、石田ゆり子、さらに本格派女優としての評価が高まりつつあった前田敦子などを起用した分厚いもので、客寄せパンダ的な扱いの役者を使わない、意欲的なものであっただけに、この惨敗は痛いところだろう。
しかし、恋愛ドラマがダメだからと、政治(もどき)ドラマを作ったところで、内容がよほどよくなければ視聴率が上がらないことぐらい、ちょっと気の利いた子供でもわかりそうなものだ。
政治に関してはド素人である主人公(篠原)が、選挙に立候補し、政治活動をし、市長になるというシミュレーションを見せるというのは面白くなくもないが、登場人物たちがあまりにもテンプレすぎて、せっかく実力ある俳優をキャスティングしたのに、彼らの味がほとんど感じられないというのは、逆によくここまで役者を殺せる演出ができるなぁと感心せざるを得ない。
回を重ねるうちに、女性vs男性のフェミニズム的構図まで描いてしまったら、もうまともな視聴者は疲れてしまうだろう。
ただ、もうそういう話以前の問題として『月9』という、大きな、しかし古くなりすぎた看板が、スタッフにとっての重圧となっているような気がしてならない。
古い話で恐縮だが、フジテレビは昭和40年代、当時ドラマは1度放映するだけで終わりだった時代に、他局に先駆けて人気ドラマの再放送を平日午後に流した歴史を持つ放送局である。
今や完全な「死に枠」になった月9には、最盛期時代のトレンディドラマの再放送をしてはいかがだろうか?(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)
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