トランプ政権は2018年も前途多難か

2017年12月22日 21:50

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記事提供元:フィスコ


*21:50JST トランプ政権は2018年も前途多難か
 トランプ政権の目玉である税制改革は年内に辛うじて成立しそうですが(大統領の署名を待つのみ)、政権支持率の上昇に寄与することはなさそうです。トランプ政権2年目の2018年は本丸であるインフラ整備に踏み切る方針で、年明けにも枠組みが発表される見通しです。事業規模は1兆ドルとみられていますが、税制改革同様、財政赤字が拡大することになるため反対意見はかなり多く、いくつかの点が修正されそうです。骨抜きにされた場合、関連株は失望で売られ、ドル売りが強まる可能性があります。

 アメリカでは2018年11月6日に中間選挙が予定されています。下院435、上院34の議席が争われます。下院で民主党は過半数獲得に25議席を上積みする必要があり、簡単なことではないでしょう。ただし、過去のケースでは中間選挙で30議席以上が入れ替わったことが何度もあるので25議席の上積みは不可能ではありません。上院では共和党は8議席を守れれば現状維持となります。ハードルは決して高くありませんが、トランプ大統領の支持率は伸び悩んでおり、楽観視できない状況です。

 米金融当局の間では、雇用の現状について「完全雇用に近い状態」との意見が存在しています。雇用市場の「たるみ」は解消されていないため、失業率が4%前後まで低下しても、インフレは加速しないとの意見もありますが、以前と比べて雇用情勢が改善していることは間違いでしょう。それゆえに、トランプ政権が雇用増大を掲げインフラ整備に着手しても雇用情勢の劇的な改善は見込めないかもしれません。《MK》

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