NYの視点:米国債、本格的弱気相場入りか

2017年12月20日 07:38

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記事提供元:フィスコ


*07:38JST NYの視点:米国債、本格的弱気相場入りか
昨年の大統領選挙でトランプ大統領勝利後、米国債は下落基調にある。ベンチマークとなる10年債利回りは昨年の9月1.55%から本年3月に2.6%まで上昇した。しかし、その後、失速。利回りは2.0%割れ寸前まで低下した。トランプ大統領が選挙中から掲げてきたアジェンダの進行がロシアゲートの疑惑などで抑制され、骨組みのひとつとなる医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃、代替案の成立が失敗したことなどが背景にある。トランプ大統領就任後現在まで、トランプ政権による主なアジェンダの達成はない。

ここにきて、ようやく、トランプ政権は公約どおり年内の税制改革法案を成立させるめどがたった。今後10年間で1.5超ドル規模にのぼる米国史上最大の減税と言われている。米10年債利回りは再び上昇に転じ、2.45%まで上昇。新債券王といわれるダブルライン・キャピタルの共同創業者ガンドラック氏は、直近の投資家向け説明会で、米国10年債利回りが2.4%を完全に突破した場合、米国債券相場は弱気相場に本格的に入ると指摘していた。景気後退を示唆すると見られている利回り曲線の平坦化も改善が見られる。
利回りの上昇にともない、ドルも再び上昇基調に入る可能性がある。《CS》

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