イオン、環境にやさしい「MSC認証具材」のおにぎり発売 世界初

2017年12月8日 05:52

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(写真:イオン株式会社発表資料より)

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 イオンは、「トップバリュ 手巻きおにぎり」の一部具材をMSC認証に切替え、12月21日から発売すると発表した。

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■おにぎりでは世界初!環境にやさしい具材とは?

 このおにぎりの具材は紅鮭とたらこの2種類で、いずれも持続可能な漁業によって獲った水産物だとを示すMSC認証を得たものだ。ここでいう持続可能な漁業とは、資源が枯渇しないよう獲りすぎず、生物多様性も保全するというもの。MSC認証とは持続可能な漁業を認証する制度で、イギリスにあるMSC(海洋管理協議会)が定めた基準に基づいている。

 このMSC認証を得た水産物を具材にするというのは、おにぎりでは世界初の試みだ。おにぎりの展開は「イオン」や「イオンスタイル」の約200店舗からスタートし、全国の最大1400店舗にて販売していく。この規模で展開することで、安全で環境に配慮した食品を扱うというイオンのイメージアップにつながりそうだ。

■具材の味もアップ、海苔も食べやすくリニューアル

 肝心の2種類の具材の質はというと、紅鮭はアラスカのブリストル湾で脂がのる6~7月に獲れたものを使用。振り塩した後に一昼夜熟成させて旨味を凝縮、ふっくらと仕上げることで口当たりもよくなっている。たらこは産卵期の2~4月に獲れたすけとうだらの卵を使用、オリジナルのたれに漬けた後焼き上げ、香ばしさをアップさせた。

 また、海苔は国産の有明海産に限定し、無数の小さな穴をあけてお年寄りや子供でも噛みちぎりやすくリニューアルされている。おにぎりの価格は紅鮭が128円で、たらこは108円となる。

■イオンが取り組む「持続可能な水産物」

 イオンではおにぎりの具材以外でも、MSC認証を得た水産物を販売。その種類は多岐にわたり、サバ、紅鮭、ホタテ貝、ズワイガニなど21魚種34品目にもなる。また、水産養殖管理協議会が認めるASC認証を得たムール貝や生牡蠣など、7魚種15品目の水産物も取り扱う。

 次世代に豊かな食文化をつなげるためと、イオンはこうした認証を得た水産物で構成した売場「フィッシュバトン」も展開。「イオン」や「イオンスタイル」の62店舗にこれを設置して、環境にやさしい取り組みをアピールしている。

 イオンは2011年に「イオン サステナビリティ基本方針」を定め、これによる持続可能経営を目指している。かつ水産物においては、2020年までにMSCとASCの流通と加工認証の100%取得を目指す予定だ。(記事:stellarlight・記事一覧を見る

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