スポーツによる頭部への衝撃は脳の動きを低下させることが判明

2017年12月5日 07:25

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選手同士の接触や頭部のぶつかり合いが多いアメリカン・フットボール。

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●若いときに断続して受けた頭部への衝撃が与える影響とは

 テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターとウェイクフォレスト大学の研究結果によると、継続的に受ける頭部外傷及び頭蓋外傷は、脳活動を低下させる要因となることが判明した。

 研究チームは、アメリカン・フットボールの若手選手のヘルメットに加速時計をつけて実験調査を行い、シーズン中に一度でも脳震盪の経験がある選手は脳になんらかの影響を受けるとしている。

●脳活動の中心「デフォルト・モード・ネットワーク」

 今回、研究者たちが注目したのは、脳活動の中心である「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる領域である。デフォルト・モード・ネットワーク(以下DMN)は、私たちが目を覚ましているときはもちろん、脳が休止状態にあるときもスイッチが切れていない部分を指す。DMNの変化は、精神疾患の患者や頭蓋に外傷を受けた患者に顕著に表れる。研究の焦点は、頭部への衝撃がいかにこのDMNに影響を与えるかにしぼられた。

●9才から13才の子供たち26人を対象に行われた実験

 研究チームは、アメリカン・フットボールを日常的に行っている9才から13才までの26人を対象に実験を行った。ヘルメットには頭部への衝撃と受けた位置を計測する「ヘッド・インパクト・テレメトリー・システム」と加速時計を設置、全シーズン後にすべてのデータを分析した。まず、26人の少年たちをそれぞれ衝撃が大きかったグループと小さかったグループに分け、さらにシーズン中いかなる衝撃も頭部に受けなかった13人の子供たちとの比較を試みた。

●予想以上に大きかったDMNへの影響

 頭部のMRI検査や統計的データ分析を通して判明したのは、頭部に大きな衝撃を受けた回数が多い少年ほど、DMN領域において機能的変化が見られたことである。

 さらにデータを集めるため、研究チームは平均年齢16.9才の少年20人を対象に、改めて実験を実施した。このうち5人は、スポーツ活動において最低1回の脳震盪を起こしている。

 その結果、脳震盪を経験した少年はDMNの接続性に著しい低下が認められたのに対し、そうでない子供たちは平均して増加していることがわかった。

 DMNは、「感情」や「記憶」と密接な関係のある領域であることから、頭部になんらかの衝撃を受けた子供たちが、感情面や記憶について影響を受ける可能性があるとしている。

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