【編集長の視点】テクマトリックスは2Qの過去最高売り上げ、堅調な受注推移を見直し下げ過ぎ訂正で反発

2017年12月4日 09:10

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 テクマトリックス<3762>(東1)は、前週末1日に25円高の1768円と反発して引けた。同社株は、今年10月31日に発表した今2018年3月期第2四半期(2017年4月~9月期、2Q)累計業績が、期初予想をやや下ぶれて着地したことから、再び下値を探る動きを続けたが、2Q累計業績の売り上げが過去最高を更新し、受注高も高水準推移を示したことを見直し、下げ過ぎ訂正買いが再燃した。順調に推移している受注動向では、連結子会社の沖縄クロス・ヘッドが、今年11月22日に情報漏えい対策サービス「ダブルブラウザ・ソリューション」の提供を開始したことも、フォローの材料視されている。

■セキュリティ関連の新製品投入が相次ぎ医療関連の「NOBORI」の受注も好調

 同社の今期2Q業績は、期初予想をやや下ぶれたが、売り上げ110億2800万円(前年同期比6.1%増)、営業利益5億5600万円(同6.5%減)、経常利益6億9700万円(同14.6%増)、純利益4億4700万円(同15.0%増)と続伸して着地した。受注高が、サイバーセキュリティ製品や医療情報クラウドサービス「NOBORI」、車載ソフトウェアの不具合をテストするツールなどが好調だったことなどから114億3800万円と前年同期(114億9100万円)並みの高水準で推移したことから、売り上げも、続伸し連続して2Q累計として過去最高を更新した。「NOBORI」の契約施設数が、前2017年3月期期末の約650施設から2Q末時点で約70施設を受注済みとなり今期期末目標の850施設達成に向け高進捗したことなどが寄与しており、このあと第3四半期に入っても、サイバーセキュリティ製品では、今年11月9日に標準型サイバーセキュリティー攻撃に対応する教育委員会向けのファイル無害化システム「Votiro Auto SFT Plus」の販売を開始し、「ダブルブラウザ・ソリューション」の提供を開始するなど相次ぎ新製品・新システムを投入した。

 2Q累計の利益は、子会社のクロス・ヘッドの事業構造改革に伴い一時的な稼働率低下が発生して期初予想をやや下ぶれたが、今3月期通期業績は、官公庁比率が高い同社の会計特性から期末業績が大きく伸びることから期初予想に変更はなく、売り上げ240億円(前期比9.1%増)、営業利益20億円(同21.7%増)、経常利益22億円(同35.2%増)、純利益14億円(同37.5%増)と見込み、純利益は、連続して過去最高を更新する。また配当も、18円(前期実績15円)と連続増配を予定している。

■ダブル底から急落時に開けた窓を埋めて弾みをつけまず分割権利落ち後高値を目指す

 株価は、今年2月末に株式分割(1株を2株に分割)の権利を2451円で落とし、落ち後安値1160円から今期の連続過去最高業績・連続増配などをベースに権利落ち後高値1919円まで買い進まれたが、今期第1四半期の低利益進捗率業績が響いて窓を開けて1562円(8月1日)まで急落し、2Q累計業績発表後の今年11月も同様に窓を開けて1458円安値まで下落し、北朝鮮を巡る地政学リスク懸念の波及で突っ込んだ9月安値1472円と並ぶダブル底を形成した。同ダブル底からは、相次ぐ新製品投入などで下げ過ぎとして急速に底上げ、11月に開けた窓を埋め、足元では8月急落時前の1844円高値を射程圏に捉えている。PERは、21倍台とIT関連株として相対的に割安であり、窓埋め完了で弾みをつけ、まず分割権利落ち後高値1919円を奪回し、分割権利落ち埋めを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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